バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ベーカリーミュージックが今になっていいかもしれないと

 元々タイ文字は独学で、主にタイ・ポップスを聴きながら憶えた。当時はカセットテープの方が主流で、タイに来ると大量に買って帰ってた。1回で50本以上買っていたと思う。

 最近、ネットでグランミーとかRSがオフィシャルチャンネルで昔の歌もどんどん上げている。それで懐かしくて、ここのところタイ語の曲をずっと聴いている。

 こんな記事もnoteで書いた。

note.com

 おじさんだから最近のはもうわからないし、興味はないし。だから、ちょっと古い歌を思い出と共に書こうかなと考えている。

 昔はよかったよ、ホント。タイ・ポップスがダサくて、それがかっこよくてね。おもしろいグループばかり。今なんかはもう欧米に負けない、かっこいいグループも多いもんね。歌もうまいし。

 かつてはなんというか、歌も下手で、冗談かと思うようなグループとか歌手がいっぱいいた。主にRSだけども。

 去年日本に滞在していたときにイーストプレスの編集者さんにタイのルークトゥンという、まあ演歌っぽいジャンルのイベントに連れて行ってもらった。若いDJたちがルークトゥンの奥深さにハマっていて、本も出しているし、イベントもすごくおもしろかった。

 オレにはそういう知識はないけど、古いタイ・ポップスと思い出はあるから、なんかできそうかな、なんてね。

 それで、最近いろいろ聴いているうちに、久々にベーカリーミュージックに行き着いた。ベーカリーミュージックは大手のグランミーやRSの影に隠れているが、タイのラップ(? ヒップホップ? それすらよくわからん)の大御所中の大御所、ジョイボーイがいたり、いろいろと攻めているレーベルだった。

 その会社の中にあるドージョーってレーベルなんかは確か女の子たちを何人もリリースするんだけれども、声を張っていない、囁く感じの歌い方で。最初、なんだこれと思ったけど、今聴き直すと、いいね。おじさんだから、耳に優しく感じる。

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 この「プロジェクトH」なんか耳に優しいわ。当時いいとは思わなかったからカセットもたぶん1回しか聴いていない。でも、なんか聞き覚えあるね。なんでだろう。当時から心の奥に響いていたのだろうか。ただ、後半ではこの子たち、張ってはいないけど、囁いているわけでもないって感じの歌い方になってた。

 同じレーベルのお姉さん系も囁いているようで囁いていない。ちょうどいい力の抜け方というか。これもあまり好きではなかったけど、改めて聴くと、って感じだな。

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 たぶん、多くのタイ人が同じように「改めて聴いてみたら」って思っただろうね。というのは、赤い服の方が数年前に麻薬の売買で逮捕されて、実刑判決を受けた。彼氏が主犯だったので、数年で出てきたけど、逮捕されたとき、出所してきたときにニュースになったので、改めて聴いた人が多かったと思う。

 ベーカリーの囁き系の最高峰は、オレは「ニース」だと思っている。特にこの曲だ。

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 これ、すごくない? 特に髪の長い子なんか動きと声の張りのなさが真逆というか。

 ホント、タイのこの時代のポップソングは最高だね。延々観ていられるわ。