バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

SNSが荒れているが、いいことだと思う

 先日、日本のタレントがSNSの誹謗中傷が原因で自殺されてしまったとか。それに呼応するかのように、たくさんの有名人が誹謗中傷に立ち向かい、訴訟を起こすというような投稿が増えたと感じる。それはいいことだと思う。

 オレはそういう匿名で好き放題言うヤツは卑怯だから嫌いだ。ズルいよね。自分は傷つかない場所から人を攻撃する。しかも、ある程度誰も納得いく叩かれる理由があって、そしてその誹謗中傷をする本人に合理的な理由と信念があるというのなら百歩譲ってアリとしても、まったく理由がなく人にひどいことを言う。これは言論の自由でもなんでもない。言論の自由は発言の自由であって、人を傷つける自由ではない。

 オレが本名で、顔も出して活動しているのはちゃんとそのあたりの信念と責任を持っているからだ。ネットで好き勝手言うヤツは本当に許せない。名乗って言えないのなら言わない方がいい。顔も出して名前も出して、それで自分の感情にまかせて人を叩くのならまだオレは許せるね。でも、中傷するヤツにそんな勇気はない。

 だいたい、なんか気に入らないことがあったからといって、それでその本人にとやかく言うことがオレには信じられない。人ぞれぞれに意見があって、感じ方もあって。それで有意義な議論になるならともかく、相手を叩きのめそう、社会的に抹殺しようというのが信じられない。同じ人間を見ているとは思えない。

 名前が出ないから好き勝手言える人の思考回路を覗いてみたいね。オレもバンコク在住のおばさん(だと思う)に「みんなに嫌われている」とか書かれてたし。まあ、バンコクに住む日本人に好かれようと思っていないから、それはそれでいいんだけども。でも、わざわざ言うか、と。思っていればいいじゃんか。

 こういう職業柄、言霊ってあると思うよ。悪いことを書くと、いつか返ってくる。基本的には悪い感情にまかせて負の内容を書くべきじゃない。たとえばそれが有意義な討論になったり、いい方向へと社会を導けるのなら言うべきだけど、一般の人にその力はないじゃない。

 ほかの国の人ってどうなんだろ。こういう人を傷つける内容の投稿はあるとは思うけど、無駄にマウントの取り合いをして、揚げ足を取って、そしてなんの実にもならないことをしているのだろうか。

 人が死んでしまって、なんらかしらの投稿をした人って今、どう思っているのだろうか。なにも思っていないってのが正解だろう。この世で一番怖いのは人間だからね。だいたい相手が傷つくことを想像できない、進化の過程を描いた画の中では中腰くらいの猿人レベルの人間性なわけでしょ。自分の投稿が人を殺したことにすら気がついてなさそうだ。

 ほかの国はどうだろうと書いたけど、ほかに国はどうでもよく、とりあえず全体的に日本人って民度が下がったよなって思う。もしかしたら、下がったのではなくて、ずっと高いふりをしていて、ネットなどで民度が低いことが露見したのかもな。