バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

カオサンは終焉か?

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6月10日18時ごろのカオサン通り

 10日にカオサンに行った。ニコ生の配信で。

 4月に舗装改修工事があったとは聞いていた。実際にきれいになっていた。歩道のようなものも作られ、ポールで出したりしまったりできるように。イベント開催なども視野に入れているのでしょう。警察署もなくなってた。大通りの方に仮説の警察署が建っていて、元警察署の敷地は完全に更地になっていた。

 問題はこの閑散とした状況だ。カオサンの外にあるコンビニやドラッグストア、マッサージ店、飲食店は数軒ほど営業していた。寺裏も飲食店はやっていたし、現状提供してはいけない楽しい飲みものも出していて、店によっては大盛況だったりした。

 一方、カオサン通り内で営業していたのは2、3軒の土産物店、洗濯屋1軒、ドラッグストア1軒、それから移動式屋台が2軒くらいあった。それくらい。

 歩いてみて意外だったのは白人が数人いたことだ。おそらく観光ビザ自動延長で国に帰らずに滞在している自由な人たちなのかと思う。いいね、別に帰る理由もないし、ならいるか、ってその気ままさ。

 とはいえ、彼らだけのために営業できないし、99%が閉店状態だった。もちろん安宿だって営業していないし。

 コロナの影響で外国人観光客が入国できないというのが原因なのは当然なんだけれども、こうなるともうカオサンは危ないのではないか。現状、タイ政府は早くても10月くらいに外国人受け入れを段階的に再開するというようなことを考えている。そうなると、すぐに外国人観光客は戻ってこない。少なくともバックパッカーなどの低予算旅行者は年内には戻ってこないだろう。

 そうなれば、少ない旅行者のためにカオサンの店が再開するとも思えない。カオサンが元の状態にならなければ旅行者も来ない悪循環になりそうな気がする。

 一時期はカオサンも地下鉄で行けるようになると思われていたけれど、実際に開通してみれば、ワットポーよりもさらに南側なので、カオサンの不便さはあまり変わっていない。そうなると、バックパッカーなどはこのまま地下鉄やBTSの沿線に流れていくのではないか。実際、その地下鉄の延伸部分にも洒落た安宿が結構できているみたいなので(今営業しているかはわからないけど)、わざわざカオサンに来るだろうか。

 再起のチャンスがあるとしたら、外国人受け入れまでに再開して政府も後押しをする国内旅行業の支援の中で、タイ人旅行者がカオサンに泊まりに来ることだ。タイ人なんか宿が安ければ安いほど喜ぶので、カオサンの水準がちょうどいい。外国人に人気の通りって触れ込めば、地方のタイ人は喜びそう。

 とにかく、カオサンの静けさはホント危機感を感じたね。初タイがカオサン宿泊だった自分にとってなくなってほしくないけれど、結構本格的なピンチに遭遇している状態だった。