バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

正直者が馬鹿を見る

 先週、9月26日をもって、タイの観光ビザとかビザなし滞在者に対する無条件延長許可が停止になった。要するに、よほどの事情がない限りは滞在許可延長はなく、速やかに国に帰れと。ただ、病気の人とか大使館からレターなどが発行されればその対象外になる。実際、飛行機が飛んでいない国もあるので。日本は不可だった。そもそも毎日フライトはあったから。だから、在タイ日本大使館も滞在期限延長の要請レターを発給する準備はないといことが言われていた。

 先週の月曜日くらいの時点でその恩恵を受けている滞在外国人は15万人はいるとされていたみたい。つまり9月22日の時点でってこと。その4日後に15万人全員が出国するとは到底思えないし、タイ政府も9月26日以降は取り締まり強化で、不法滞在者を捕まえていくみたいなことを言っていた。タイの場合、不法滞在はイミグレ警察の留置場行きのはずなので、ほかの罪で今いっぱいだと言われる拘置所や刑務所とが関係ないしね。

 その15万人に日本人はほとんど含まれていなかったのではないかな。毎日、少なくともANAが飛んでいたし、そもそも3月の頭くらいには観光客はほとんど来なくなっていたし。おそらく、15万人のほとんどが欧米人なのかなと。欧米方面はフライトが少ないだろうし、そもそもアジアを見下している白人は多いので、ビザなんてどうでもいいと思っている奴もいるだろうから。近年、タイ人女性との偽装結婚が増えているという話だったけれども、その大半が白人の爺さんらしいし。

 そして、29日の朝、もしかしたらその前日かもしれないけど、Twitter見てたら、また10月末くらいまで滞在許可が延長されたみたい。いや、期限切れてから延長って。経済的に余裕があって滞在した勝った人でも、期限があるからとまじめに出て行った人もいるはず。でも、そんな無視して残っていた人には結局許可が出てしまった。

 ホント、正直者が馬鹿を見る国だな、ここは。富裕層もなんでも、ズルをした人が勝つ。そういうふうになっていて、結局、一番いいのは金持ち、そしてなにも持っていない超貧困層もそう。一般庶民は生きづらい国だよ。

 まあ、東南アジア全般的にそういう感じなんだろうけどさ。ひどいもんだ。かといって、一般庶民が金を持ったところで富裕層の仲間入りはできない。それはもうここ10何年かの赤と黄色の戦いで可視化されたことだ。昔ながらの富裕層、そして失うもののない人がタイでは強く生きていける。