バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

平穏に暮らしたい

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平禄寿司のウニ。

 いつの間にか平禄寿司がタイから姿を消しつつあるというか。以前はいろいろなところに店があったけど、違うブランドに変わってたり、なくなっていたり。無駄に高いってのが、なあ。

 ときどき家族で行ってた。こういうところに行くと、オレはやっぱりウニを頼んじゃうね。ウニはさすがに高い皿のひとつだけども、ほかで食べるよりは安いと思う。ウニはさすがにタイ産じゃないのかな。輸入ものだと思われ。

 日本でも回転寿司は嫌いではない。別にまずいと思わないし、それであればコスパがいいので、利用するべきじゃないかな。無理して高いところに行くこともなかろう。とはいえ、銀座とかのいい寿司屋に行ってみたいとは思う。でも、身分相応でいいのかなと。

 服もこだわりがないから、ユニクロとかで全然いい。なんなら、紺色のポロシャツとチノパンだけで。ただ、チノパンだけはちゃんとしたブランドがいいんだけど。ポロシャツは着替えるけど、ズボンは毎日履くからやっぱり頑丈な方が。

 物には基本的にこだわらないけど、カバンと筆記用具だけはちゃんとしたのを持ちたい。これは仕事をするにあたって、最も使うものだから現場で壊れたらいけないので。

 多少のこだわりはあるけど、まあ、なんだって身分相応でいいと思う。でも、日本にいるとみんなが他人と自分を比較する。雑誌やテレビによる流行もそう。みんな揃って同じものを着たり持ったり。就活の学生なんかいい例だね。自分の価値観でなんでも決めていいんじゃないかなっていつも思っていた。

 そうして出会ったタイに行けば、なんか自由になれる気がして。タイ人は日本人ほど流行を追わないし、人に干渉もしない。なにより、身分相応に生きているというか。いい意味でも悪い意味でも。

 移住した当初は日本人が少なかったから、会うこともそうなかったけど、それがだいぶ変わってきた。外に出ればだいたい誰かに会ってしまうし、SNSで人の行動がいちいち見えるようになってきた。最近のひどいのなんかは些細なことで叩いて、それに便乗して炎上がある。なんだろ、潔癖症なのか正義マンなのかよくわからないけど、日本人の評判を落とすって怒っているヤツな。その癖、タイ語でそのことを広めてたり。黙ってれば日本人の評判落とさないし。落とすとしたって、そもそも高いところにいないだろ、日本人。オレが初めてタイに来たときの方がもっとしょうもない日本人が多くて、事件とか起こしてたし。

 自分の価値観で生きたい。でも、SNSとか人づきあいが増えると、やっぱり流されてしまったり、羨ましいと思う気持ちがあったり。収入が少なくたって、家族と一緒にいられればそれでいいとオレは思うんだけども、繋がりが増えて、SNSでいいもの食べている人を見ていると、どうしても自分がみじめに見えてしまうときがある。

 日本人が増えたことでバンコクは過ごしやすくなったのは事実だ。なにしろ和食はおいしいし、スイーツとかもだいぶレベルが上がった。これは日本人の職人たちのおかげだとオレは思う。でもね、日本人が増えすぎて窮屈になったのも事実だ。SNSは特にツイッターとか、自分の身分を隠して文句ばっかり垂れ流すことができる。オレの知り合いもいろいろなところに噛みついているけど、本人は名前を出していないから、知らない人にとっては誰だかわからない。そういうズルいヤツも増えた。

 ネットとか人の行動でイラっと来るのはわかる。でも、いいじゃない、ほっとけば。自分と家族に危害が加わるなら戦え。それ以外ならいいじゃない、別に。日本人の評判なんて、日本人が思っているほど高くないから。いいことは積極的に褒めていこう。それでいいじゃない。

 せっかくタイに来たのに、面倒なことが増えてきたなあ、ここ数年。日本から遠く離れて静かに過ごしたかっただけなのに、タイに日本が増えてきた。平穏に暮らしたいのに、なかなかできない。人生って思ったようには生きられないもんだな。