バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ムーガタってなにかひとつ足りないっていつも思う

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 ムーガタってバンコク特有の呼び方で、発祥とされるイサーン地方では今でもヌアヤーン・ガウリーと呼ばれる。韓国式焼肉で、プルコギが原型なんだとか。ジンギスカン鍋みたいな鉄板で主に豚肉を食べるわけだけど、周囲のくぼみにスープを入れて、野菜とかルークチンを煮る。

 初めて食べたのはタイ語学校に行ってたころなので、2000年だと思う。知人がコラートに住んでいて、その家の近くに元ムエタイチャンピオンがやっている店があった。初めてタイ式の焼肉を食べたので感動したことは憶えている。

 今もその店はあって、確か市内に支店がもうひとつできていたはず。それでなくても、学生が多いエリアにはいくつもヌアヤーン・ガウリーの店がある。

 バンコクでは2002年以降にムーガタって名前の食べ放題として人気が出て定着した感じかな。今のベストビーフみたいな感じで、最初はどこかでひとつだけだったのが、類似店が増えて、広まるみたいな感じで。ムーガタは店名じゃなかったので、みんな同じ名前を使って、バンコクではムーガタの方が一般的な呼び方になった。と、記憶している。

 コラート、というか東北のヌアヤーン・ガウリーは基本的にはセット料金になっている。豚肉とか内臓、イカに卵とタレをかけたものが丼に入っていて、この丼が大小あり、大で120バーツくらい。大だと2人前以上はあるので、結果的には食べ放題より安いってメリットがある。

 日本式の焼肉もそうだけど、やっぱりムーガタは仲がいい人と行きたいもんだね。仕事関係で行くととてつもなくつまらないしな。前に年寄り連中と行ったときに、まあタイを語る語る。タイ語が一切できないのに、なにがわかるんだっていうの。タイ語がわかるほどタイはそんなに簡単なものじゃなくて、そう簡単に語れなくなる。詐欺師と一緒よ、知ったように話すの。カンボジアにいたでしょう、そんな詐欺師。で、その爺さんたち、鍋の周囲で野菜を煮るから鍋と勘違いしたんだろうな。そこに米を入れれおじやを作り出したよ。あそこってスペース的にレンゲとかスプーンが入らないから、米を煮ちゃうとほとんど取れなくなるんだって。見りゃあわかるだろうが。

 たまにムーガタってアムとかが言い出していくけれども、でもなあ、初めて食べたときから、なにって答えはいまだに見つかっていないんだけども、なにかひとつ、こう、足りない感じがするんだよなあ。なんなんだろう。牛肉がないからかな。あるいは、タレがあまりおいしくないからかな。コラートのヌアヤーン・ガウリーは、大概シーフード店で出てくるあの緑っぽいシーフードソースだ。バンコクは最近行っていないから忘れた。たぶん、なにが足りないかはずっとわからないんだろうな。20年経ってもいまだにわからないんだから。