バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ウドンタニーのサオファイデーン

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 ふと思い出した。ウドンタニーのサオファイデーン。いきなり下ネタなんだけれども、ここはウドンタニー県の市街地にある置屋街だった。赤線とか、ちょんの間みたいな。400バーツくらいでラオス人の女の子が売春をしていた。

 ラオス国内、主に首都のビエンチャンで売春をするのはタイ人だったり、地元ラオス人でもバンコクとあまり変わらないくらいの相場だった。なぜなら、ラオス社会主義国で、本来は夜10時以降だったかな、未婚の男女が同じ部屋にいてはいけないとか、そんな法令があるのだとか。だから、売春なんてただでさえアウトなのに、社会主義国らしいルールがあって、タイなんかよりもリスクが高いのだそうで。

 だから、国境を超えると途端に安いというよくわからないことになっていた。あるときビエンチャンからウドンタニーに行く国際バスの車内でこういう置屋に働きに行く子と隣り合わせになった。いろいろと聞いた話を総合すると、相場は安いとはいえ、観光ビザで滞在できる期間で十分に元が取れるとか。また、彼女たちはあくまでも合意の上で来ているとはいえ、ブローカーが親に数万バーツの契約金を先にさらっているのだとか。要するに、昔とは形を変えた人身売買みたいなもので。とはいえ、だから彼女たちはここに来た時点である程度利益を得ているという。滞在中にこれを返済する形になるとはいえ、1度の仕事で100バーツくらいは小遣いとしても入るらしい。そのため、この辺りで働く子たちは悲壮感は全然なかったな。

 しかし、2015年、あるいはそれよりも少し前、タイ政府はこういった国境の売春宿を一斉に摘発したらしい。特にラオス国境からは若い女性の単独あるいは数人での入国を拒否したとか。それで、こういった置屋街は壊滅したようで。

 上記の画像はサオファイデーンで最も規模が大きかった置屋の跡地だ。まるっきり真逆の、お洒落なカフェみたいになっているしな。すごい変わりようだ。

 これで地元民は治安もよくなるし、安心したことでしょう。でも、ここでしか働けなかった人たちはどこに行ったのかな。タイやラオスの場合、遊ぶ金ほしさに売春をする人はほとんどいない。家族を養うために仕方なく、という感じだ。だから、こういった場所がなくなる場合、別に働き口を用意してもらわないと、本当に困るのは彼女たちでもある。

 ま、自分たちの地元でやれって話でもあるし、東南アジア人はそういったあたりの立ち直りは早いから、なんらかしらの生き方をみつけているとは思うけどな。