バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

1:36 徘徊ばあさん

 一息ついていると、おっちゃんが来て「おばあさんが中央分離帯のところに立ってるから助けてやって」って。
 ちょうどスティサン署の前は逆立体交差点で、うちらはてっきり下のトンネルになった方へとばあさんが歩いていったのかと思い、上から覗く。こっちにいないからあっちの方を、と走り回るがいないので、騙されたな、って感じに署に戻る。
 が。
 戻りかけたら「きゃ〜!!!」ってものすごい叫び声。女の声だった。ばあさんにしては若い感じだったけど、またダッシュ。ラチャダーのスティサン署から見て南方面。
 でもどこにもいない。
 おかしいなぁ、と思ってたら、ず〜っと向こうの方に人がいるって、ハマさんとタイ人の隊員が言い出す。全然俺には見えないけど、とりあえず走る。北の方面ね。何百メートルよ、あれ。かなり走ったよ。
 現場にはすでに警官とか野次馬がいるが、誰も助けに行かない。ばあさんは中央分離帯の壁に突っ立っている。ちょうど俺らに背を向けた感じ。ばあちゃんの背後30cmくらい後ろをビュンビュン車が通っていく。かなり危険だ。
 タイ人隊員もなぜか歩道に待機。なので俺とハマさんでガードレールを越え、中へ。
 やっと車が途切れたのを見て、駆け寄る。
「おばあちゃん、何やってるの?」
 振り返ったばあちゃん、ほけ〜っとした顔してた。だめだこりゃ。
 ちょうどパトカーが通りかかるがなぜか乗せてくれず、歩いて署まで連れてくるように言われる。ガードレールが途切れているところまでさらに何十メートルとあって、デブとしてはかなりしんどい。
 途中タイ人の隊員がいろいろと質問していたが、家とか忘れちゃったらしい。どうすんのよ。
 警察署について水がほしいと言うので、冷蔵庫から小さいペットボトルの水を持ってきて渡したら、臭いかいでた。そういうのは忘れていいから、家忘れんな!