バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

レスキュー慰安旅行 ナコンナヨック県

何も言えなくて、川 2009

 ほとんどの連中は昨日の朝からナコンナヨックのどこかの滝のそばのリゾートに泊まっているらしく。
 俺とハマさんと新しい隊員の焼天店長*1の3人は今日向かうということで朝7時にスティサン署に集合。とりあえず俺の車はスティサン署の駐車場に駐車。
 焼天店長は実家が印刷関係の会社をやっていて、彼はそちらでも働いていて。印刷工場をちょっと見せてもらったが、この人、なかなかすごい家の人かもしれんね。
 さて、今日は朝から曇り空。乾季とはいえこういった曇り空は別に珍しいわけでもない。
 が、マジで降りはじめる。
 なんてこったい。昨年は1月30日に一度降ったっけか。正面衝突したんだもんな、俺。嫌だな、こんな雨。
 ちょうどタンヤブリーの辺りを走っていて。ドリームワールドとかいう遊園地がある辺りね。およそ10km程度の距離で5ヶ所、交通事故が発生。1件なんか10台近くの多重衝突。隣のピックアップトラックなんかスリップしてきゅるきゅる尻振ってるし。
 30分くらいで雨は抜けた。
 ちなみに車はフォルクスワーゲンのバン。俺が助手席でハマさんは後部座席。何気なく振り返ってみたら、首に巻ける枕みたいなのして、ハマさん爆睡中。どこから持ってきたのだろうか・・・・・・。
 小一時間ほどで現地に到着。滝のそばというか、ダムのそば。全然リゾートじゃないし。普通の民家みたいなのが集まっているだけ。しかも、半数は民家だが半数はテント。来なくてよかった。さらに、昨夜大雨だったらしく、テントの中は水浸しで車の中で寝たりと大変だったそうだ。来なくてよかった。


 朝9時ごろに着いたのだがすでに酒盛りがはじまっていて、いきなりウイスキーのストレートをコップ1杯一気飲みさせられる。しかも見たことのない銘柄。ナントカ258って。なんか知らんがレスキューの集まりに来ると毎回毎回違う銘柄。それも絶対に聞いたことのないやつばかり。大丈夫だろうか。
 隣は小川。タイでは珍しく透明で澄んだ水。まあ、日本の渓流みたいな感じにまでは澄んでいないけど、メコンとかチャオプラヤとか泥の色というのではなく。
「いいとこじゃないですか、ねえ、ハマさん。来なくてよかったけど」
 このあと朝食のおかゆとかもらいながらことあるごとに褒めるが末尾に「来なくてよかったけど」を付けてた俺。そしてその後本気で来なければよかったという事態に。
 昨夜は、というか、タイ人はみんなで集まると小学校の遠足みたいにとりあえずみんなでゲームをする。まあそれは罰ゲームみたいな要素が大きいんだが。
 そんで、俺とかあとから来た人でゲームを、みたいな。負けて罰ゲームではなくて、最初から罰ゲーム。
 まずは目隠し。
 いやいやいやいや。先に説明してからにしてくれない? 何やるか全然わからない。大丈夫大丈夫、って。何が大丈夫? んで、目隠しされてこれとこれを使って相手に塗る。どれ? 目隠ししてるんですけど。ちょっと取って見たら、取るな取るな、だって。見えねぇんだってば! なんか、ちらっと口紅が見えたんですが・・・・・・。
 で、第1ゲームは目隠ししている相手に口紅とシッカロールを塗る、って。勝敗決められなくない?
 第2ゲームは腰にパパイヤを紐でチ○コのようにぶら下げて、それでマナーウを相手のいるところまでゴルフのように打っていき、到着したら相手が打って返す。俺とハマさん、やったことないのに圧勝。
 そして最悪の第3ゲームに。ストローと瓶が用意された時点でものすごい嫌な予感。案の定、ストローで20m先の川原に降りて川の水を口で運んでこい、と。確かに水は澄んでいるが、たとえば青森の奥入瀬渓流とかあれくらいきれいならまだしも、そんなにきれいではないべ〜。しかも↓こんなことを副隊長がしてたのを目撃しているんだから、嫌だよ。上流の人だって絶対やっているだろ?

 そんな抗議も虚しくスタート。まあ川原に降りて軽く、なんて思ってたら突き落とされた。着替えないんですけど〜。最悪の展開だ。絶対泳がないつもりだったのに。
 超テンションの低い俺とハマさん。ちなみに俺はハーパンだったからまだいいが、ハマさんなんかジーパンで突き落とされたからね。俺らとは対照的にタイ人はやっている人も囃したてている側も早朝とは思えないテンションの高さ。なのに、俺とハマさん、また圧勝。なんなんだ、これ。
 んで、もうこうなったら泳ぐわ。ということで川に入ってたけど、やっぱりそんなにきれいじゃない。カブトガニみたいな生物が体にくっついてきたり、気持ち悪い。
 そのうちみんながボートを借りてドラフティングだっけ? 渓流下りっていうのかな、をしようと。行こうじゃないか。ゴムボート1隻1000バーツだって。10人乗れるのでひとり100バーツ。安いじゃんか。
 ナコンナヨックはちょっとした観光地で、川と山があって、滝を見れたりダムを見れたり。渓流下りもあれば四輪バギーもあったりテンションさえ高ければおもしろそう。
 ピックアップトラックが迎えに来てくれてそれに乗って出発地点へ。途中でライフジャケットとヘルメットを渡されるが、こんなん絶対入らないって。嫌だなぁ、とヘルメット受け取りながら顔を上げたらハマさんが遠くでにやにやしながら俺を見ている。嫌だなぁ、これくらい入りますよ、とかぶったら入らなかった。
 ダムのそばから出発。10kmくらい下るのかな。1時間くらいかかってた。激しい渓流があるわけでもなく、よく見ると岩場が人工的に作られていて、無理矢理観光地を作った感じ。だから逆に天然の方がゆったり進めるし、静かでよかった。途中泳ぐポイントとかもあって、そこなんかは背もつかないくらい深いしおもしろい。
 川べりには水遊びポイントとかほかのリゾートという名の宿泊施設が点在していた。人工的な渓流の上を竹の橋が。くぐる直前に若い女の子がピチピチの脚をさらけ出しながら渡ってた。何気なくハマさんを観察してたらずっと彼女の脚を目で追っていて、彼女は橋を渡り終えさらに我々も橋からかなり遠ざかっていったのにまだ見ていた。
 終わってからまた拠点でみんなで水に浸かっていた。深さは膝までないくらい。でも寝っ転がるとかなり流れは速い。流されそうになるハマさん。
「おお〜、結構速い、おお速い速い、あ、かなり力使う、なんか今腹筋すげぇ使ってる、腹筋腹筋腹筋、すげぇ使っている腹筋」
 あなたがどの筋肉使おうが説明せんでもいいのでは? と俺はしらっと眺めてた。
 そろそろお開きということで、近くで水着を買う。ハーパンのね。100バーツ。こんなことなら水着持ってくればよかった。
 ダムに寄る。




 ↑赤い屋根とかがある辺りがボートの出発地点だった。かなり前、アムとまだ知り合う前にチアビアの女の子とロッブリのひまわりを見にいったついでにその近くにあるダムを見たことがあるけど、そっちの方がすごかったな。
 帰りは大渋滞。後部座席の連中はみんな爆睡。俺も眠かったけど、焼天店長に悪いので、起きてた。そのことをあとでハマさんに言ったら「全然寝てなかったよ。寝てた振りをしてただけで、実際寝てたのって10分くらいじゃない?」と。そうかな。途中ガソリン入れたときにトイレ行ったのでそこまで起きてたのはわかるが。ハマさん曰く、GSから寝て、俺と焼天店長で大渋滞の中左に曲がってラムルッカに行くかどうか話してたところで起きたから10分、だって。GSからそこまで1時間以上かかっとるわい。
 ボスの家の前にいったん集合。もう帰りたいオーラをハマさんとビシバシ発するが、小一時間捕まり、やっと解放される。
 スティサン署の日除けの網の下に停めておいたので雨で汚れが落ちてきて車がすごいことに。屋根なしのところに停めておいた方がましだったようで。
 家に着いたのが20時ごろ。そんで腹も減ってたし、オーブンでジャガイモとベーコンを焼いて食べた。

*1:バンコク市内にある焼天というレストランのオーナー