バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

久々の出動

報徳堂のマーク

 昨夜、といってももう明け方だったから今朝か。これといって目立った事故も事件もなく平和だったラチャダーエリア*1で、久々に出動*2
 土曜から日曜にかけての、事故発生の可能性が高い日にもかかわらず、出勤率が低い*3。おかげでボスのの車*4に乗ることに。嫌いではないんだけど、なんかな・・・・・・。とにかく遅い! 安全運転なのはわかるけど、やっぱこっちとしてはサイレン鳴らしながら突っ走って駆けつけたいでしょう。
 2件ほどその遅さで間に合わず、ちょうど待機場所*5へ戻る途中でついに久しぶりの現場到着。ついに、というか、やっと、というか・・・・・・。
 現場はラチャダー通り、スティサン交差点からずっと入った住宅街。辺りは妙に臭い。狭い道の横はドブ川だもの。先についていた警官がそのドブを覗いていた。近寄って見るとドブの中に全裸のオッサンが白くなって座っている。ヤだなぁ、って、最初の感想だね。その1時間前に彼女から「早く帰ってこい、ボケ!!」って電話があって、でも帰ってもどうせネチネチ怒られるだけだから朝まで帰らないつもりだった。帰っておけばよかった。多分、というか絶対俺がドブに降りなきゃいけないでしょ、下っ端だし。はぁ、と思ってたらオッサン動いてる。生きてんじゃん、自分であがれって。
 少し安心して車からロープを引っ張り出す。同期の隊員も一緒で、ふたりでロープを輪にして下ろした。オッサン、寝てるし。ヤバイ。俺が。ハシゴがどっかから持ち込まれた。ピンチ。俺が。同期の隊員の顔を見ると「俺のユニフォーム、ツナギだから」って。ああそうですか、降りますよ、俺が!!
 靴を脱いでチノパンの裾を捲ってたらボスが彼に「下、短パンだろ?」って。逆転勝利だね。彼が降りることに。でも短パンってトランクスのことなんだよね。タイではトランクスは下着でなく短パン。俺だってトランクスだけど、この際黙っていよう。
 彼がハシゴで降りてオッサンを揺り起こす。「ほっといてくれ、2、3分したらあがるから」だって。警官とかが命令口調で、あがれ! と怒鳴る*6。オッサン、寝たふり。あがんなさいよ! 嫁さんらしき人が怒鳴る。その途端オッサン、すごい剣幕で言い返す。どうやらドブの横が自宅らしい。おばあちゃんも出てくる。「おばあちゃんのこと、好きだったらあがってきなさい」っておばあちゃん。なんのこっちゃ。オッサン、黙る。なんだそりゃ。
 もうおかしくておかしくて、俺はずっと笑ってたね。
 それから埒があかないから、あとはご勝手にどうぞと、警官も俺らも帰った。
 そのあと、もっとおもしろいことが! 車に乗った直後に無線で事件発生、と。すぐ近く。急行すると、酔った女性が2階ベランダから転落。怪我もなかったんだけど、笑えたのは同期の隊員の彼。トランクスのまま、真剣な顔で救急活動してた!! 周りも普通にそれを眺めてるのね。
 タイってアメージング。

*1:タイ・バンコク

*2:華僑報徳善堂というレスキューチームの隊員

*3:ボランティアなので出勤は自由

*4:ボランティアは自前で救急車を作る

*5:各方面へ出やすい場所が待機場所になる

*6:タイの警官は権力がある分893より恐