バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

華僑報徳善堂とは

いきなりブログを開始したので華僑報徳善堂*1の説明をしておきたい。
まず、ここタイ・バンコクでは消防署はあるものの、日本のようにそこには救急車が所属しない。救急車はだいたい各々の病院が所有していて、基本的にはその病院の患者のみしか搬送しない。
また、日中、特に朝と夕方は渋滞がひどく*2、救急車などはまず間に合わない。そのため事故が発生した場合、事故の当事者やヤジ馬たちは怪我人をタクシーやトゥクトゥク*3で連れていってしまう。よって、救急車の必要性が著しく低いというか認識されていない。
しかし全くもっていらないというわけにはいかない。そこで登場したのが民間の非営利団体のレスキューチームだ。タイ全国に大小いくつもの団体が存在している。主に有名なのはバンコクにある報徳堂と華僑儀徳善堂*4の2団体。報徳堂の方が政府の認可を受けて90年だったかなんかで、ルアムガタンユーより少し古く、大きい*5
報徳堂の大まかな構成は以下の通り。*6

  1. レスキュー
  2. 警察関連
  3. 救急車

1のレスキューはその名の通り、救助部隊。全員がインストラクタークラスのダイビングライセンスを所持し、専門の訓練をしっかりと受けている。4トン車を特注で作った救助車もある。青というか水色のユニフォームを着ている。
2の警察関係とは、主に交通事故の怪我人搬送や事件現場の保存や死体の搬出など警察の動きに合わせて行動する。俺らボランティア隊員もこの部類。俺も殺人現場とか行ったことあるよ。それはまた今度。このチームは、本隊員は黄色、ボランティアは紺色のユニフォームを着用。
3はまんま救急車。何度も事故現場に行ってるけど、間に合って到着するってことがそんなにない。だからこそ俺らボランティアが存在しているわけだけど。現場に救急車が来たら、怪我人は向こうに任せる。このチームは白いユニフォームを着ている。
ボランティアはもちろん無給。ユニフォームや無線機、救急箱から車まで、全部自分のお金で買ったり作ったりする。みんな善意でやってるから悪い人はいない。なんか目つきの悪いのもいるけど、みんな気さくで優しいやつらだよ。日本の本で「レスキューはヤンキー上がり」みたいなこと書いてあったけど、そんなことはない。昔はそうだったのかもしれない*7。今は違う。ま、暇つぶしって人もいるかもな。だって先頭きって現場に行ける、警察公認のヤジ馬みたいなもんだし、楽しいもの。

*1:報徳堂もしくはポーテクトゥングともいう

*2:バンコクの渋滞はもはや名物!?

*3:三輪のアジアンなタクシー

*4:タイ語名はルアムガタンユー

*5:昨年末の津波では、芸能人が多く登録されているルアムガタンユーの方がテレビには出てた

*6:このほか事務職もあるがここでは除外

*7:10年くらい前は給料も相当安かったみたい。現在は1万バーツ(約3万円)はもらってるらしい