バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

モンスター

 つい最近まで、俺が興味を持っていたのは死体だけだった。ホント死んだ人間だけ。たまたま見た映画で、なんだコイツは、と。かなり衝撃的だったわけで。
 その映画とはテッド・バンディだったわけで。
 どこでそんな映画を見たかというと、ま、部屋で。ってもビデオを借りてきたとかではなく。タイの有線放送UBC*1で一時期やっていた。この有線は1ヶ月ごとにメニューが設定されているから、一度やったらその月はヘビーローテーションで放送。なんでちょこちょこっと何回か見てて、あるとき暇だったからじっと画面を見てたら、バンディが腕を怪我したふりして女の子を誘い殺してしまうという、この殺人鬼の最も有名なエピソードのパートだった。この手法は映画「羊たちの沈黙」でも犯人が女の子を誘い出すシーンに出てくる*2
 きっとこの映画がちゃんとした映画だったら俺もあまり興味を持たなかったと思う。B級丸出しだったからハマったんじゃないかな。最初はフィクションだと思ってて。次に放送されたときに*3最初からちゃんと見てたら、あれ? これ実話? みたいな。
 そんでネットで調べたら実話なのね。そんときに引っかかったのがこのページにもリンク貼っている「モンスター」というサイト。
 とにかくいるいる。100%真実かどうかはわからないけど、すんごいのよ、数とか内容が。近所で起こったということもあってか、女子高生コンクリート詰め事件とかが特に気分悪くなったかな*4
 死んでいく人にも人生があって、そして殺した人にも人生があったんだなって、正直、そのサイトを見て最初に思った。もちろん人殺しを正当的に見ているわけではない。人殺しは保釈なしの終身刑が一番と思っている*5
 でも誰にも何かがあるんだよね。正気と狂気って紙一重だと俺は思ってる。むしろ毎日踏み外さないで生きている方がすごいことなんだって思ってる。一寸先は闇でしょうが。
 実は殺人事件を何件か見てきたけど犯人に会ったことはまだ一度もない。ひとり、人を殺した奴を知っているけど、殺す前だからな、話してたのは*6カオサン通りで3年前の話。ニュースステーションとかでもスンゲェ取り上げられてたらしいじゃない?*7
 とにかく、世の中、いろんな人がいるんだなって。適当に言っているんじゃなくて、殺された人、殺した人、それを分析した人。世界の七不思議! モアイ! ネッシー! なんて言っている前に、人間が一番わからないんだよ。きっと。

*1:タイというか東南アジア全域というか。NHKの衛星放送もこのUBCの一部のグレードで見ることができる。普通は個人契約だけど、うちのアパートはなぜかどの部屋でも見ることができる

*2:羊たちの沈黙の犯人は、実在の殺人鬼の何人かをモデルにミックスされているのね

*3:翌日ぐらいだったと思うけど。ヘビーローテってマジでヘビーよ。人気作とか1日に3ローテしたりするときあるからね。見逃したときはありがたいけど、見ちゃったあとは最悪。エ? 泊まってくの? くらい最悪

*4:最近当時の犯人の一人がまた捕まったでしょ? バカにつける薬はないっていうけどね。こういう事件を見ると、短絡的でちょっと頭疑われるかもしれないけど、日本が銃社会だったらよかったのになぁ、なんて思ったりもする

*5:刑務所ランドなるものを建造して、ムシャクシャした奴は片っ端から蹴っていいアトラクションとかヘビとマングースの対決みたいにライオン対受刑者とか、そんなんでとことん痛めつけられたらなぁ、って思う

*6:最初に事件の話を聞いたとき驚いたけど、やっぱりな、に近い気持ちはした

*7:桶川のストーカー事件と同様に殺された女の子がかなり悪い言い方されてたけど、事実はそんなことないらしいよ。殺した男はもう葉っぱ好きだったんだけど、結局物足りなくてヘロインに手を出してたみたい。ジャンキーよジャンキー