バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ついに出産

ネネちゃん。

 もはや産まれるというよりも産んだというか出したというか。
 あれほど言ってたのにやっぱり帝王切開がいいと、切ってしまった。医者も切った方がいいとか言い出すし。なんかバンコクでは切るのが主流なのかしら。確かに渋滞が酷いし、陣痛がはじまったあとではすでに手遅れの可能性もあるし。実際年に何回かタクシーの中で産む人いるもんな。警官も助産の資格を持っている人もいるし。
 昨日の検診で、明日切りましょ〜、なんて言われて、アムの叔母も、何日に切れ、とか言ってた上に明日切るとかなってしまったら、9時に切れ、とか変えてくるしさ。ホントタイ人て9が好きだね。
 で、今朝は朝6時前に起きて病院へ。10分で着いてしまう。休日だからというのもあるが。
 ちなみに明日は出勤だったが便乗してすでに休むことにしてある。へへへ。
 さて、病室に放り込まれ、9時まで何もすることがない。とはいえ、本やテレビを読んでいるほど自分が落ち着いていられない。ソワソワソワソワ、行ったり来たり。
 病室で待っててもいいと言われたけど、9時前に迎えに来た看護婦らと手術室の方へ。立会いを希望したけど、断られた。なので、手術室の前で待つ。
 待つこと約30分。
 手術室のドアが開いて、プラスチックの箱に入れられた赤ちゃんが!
「お父さん」
 看護婦に呼ばれたけど、最初俺だとは思わず、無視。他にも外で待ってる家族みたいのもいたしね。
 看護婦がみるみる俺に近づいてくる。
 お、俺?
 なんというか、とにかく嬉しい。確認したら、アムの容態も良好とのことで、赤ちゃんも問題なく、万事無問題で万歳万歳ですな。
 12月11日午前9時11分。3090g。女の子。
 ああ、ついに産まれたか。っていうか、人だ! ←当たり前だけど。いや、さっきまでアムのお腹で動いたりしていたけど、なんかこう、物体、的なイメージしかなくて、こうちゃんと手もあって足の指もあって髪の毛もあって、そして顔もあって、ってなんだか想像できなかった。
 どきどきしながら看護婦さんと新生児室っていうの? 赤ちゃん天国の部屋へ行く。抱っこしたいけど抱っこできないし、もっとほっぺたとかツンツンしたいけど、看護婦はさらりと行ってしまった。
 ガラスに張り付いてず〜っと見てた。保育器に入れられて。おいおい、裸じゃないか。おいおい、泣いてるじゃないか。おいおい、体温乱暴に測るなよ。ってツッコミつつ、しばらく見ていた。
 でも、あんまりいても看護婦に迷惑だろうし、ちょっくら飲みものでも、と下へ行く。
 紅茶のピヨリクでひとり乾杯しながら、みんなにメール。
 でも10分もしないうちにやっぱり子どもが見たくて急いで戻った。
 真っ赤だった肌が、だいぶ落ち着いて白くなってた。色白か。よかったよかった。
 ちょうどそこへ執刀もした担当の先生が来て、問題ない、と。手術室横の控え室でアムにも会えるとのことで、行ってみる。ぐったりしてるし。だから言ったのに。
 アムの姉が来て、飯を食いにいって、戻ってきたら、アムも病室に帰ってきた。
 そしていよいよ子どもも病室へ。
 小さい。
 でも、ちょっとしたら戻っていってしまった。
 夕方、また病室へ来て、そして初めて抱っこ。軽い! 抱っこしたら俺の顔を見てた。嬉しい!
 どんな子でもかわいいと思ってあげなければなぁ、なんて産まれる前は思ってたけど、いや、自分の子どもって無条件にかわいいね。嬉しいなぁ〜。かわいいなぁ〜。
 でも、子どもの写真の年賀状だけは人には送るまい、と心に決めた俺でした。そもそも年賀状を送るような性格じゃないけどね。