バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

夢を見た

 ま、毎日見ておりますが。以前にも書いたけど、基本的にいい夢をあまり見ない。昨日、つまりレスキューから帰ってきてみた夢は、いつも通りの変な夢だったわけだけど、はっと目が覚めた。
 こんな感じ・・・・・・
 観光バスくらいのプロペラの旅客機に乗って、どこかへ向かっている。周りには小学校とか中学校のときの顔ぶれがあって、どうやら修学旅行みたい。
 上空から下を見ると、大雨でも降ったのか大きな水溜りがいくつもあって、太陽に照らされきらきら光っている。
 着陸態勢に入る飛行機。滑走路はもう洪水の下といった感じ。飛行艇のように降りる飛行機。
 と、目の前に離陸中のセスナ機が迫り、俺の乗った飛行機に激突する。大量の水が流れ込んできて、みんなで笑いながら抜け出す。
 そのまま目的地のキャンプ場へと向かう一行。ずぶ濡れのまま。
 途中の山道で、俺の両親とレスキューの連中に会う。さっきの俺らの飛行機の事故を見に行くんだそうだ。
 俺も一緒に清水のようにきれいに澄んだ池の上から沈んだ飛行機を見下ろす。飛行機は天井がきれいに剥がれていて、まるで壊れたのは天井だけかのように、座席も何もかもがそのまま。
 そして焼けただれた死体もそのままに残っている。
 ぽつぽつと空席があるのは、どうやら生き残って脱出した人がいるからだ。全体の10%もない。俺が座っていた席を探す。見つけてみたが、両サイド、前後とも、座っていた人は死んでいた・・・・・・

 そこで目が覚めた。
 ネネはぐっすりと眠っている。アムも向こうを向いて寝ている。
 なんだか急に、生きていることが奇跡だと思えた。
 命あるもの、すべてが死に向かって生きている。実は生きていることの方がずっとずっと不思議なことなんだ。
 子どもができてから、俺はだいぶ変わったと思う。以前は食べたいものは食べ、飲みたいものを飲むという生活をしていたけど、健康に気を使うようになった*1。車の運転に関しても、ビュンビュン飛ばしていたし、運転の荒い人の横に乗っても怖いと思わなかったけど、安全運転を心がけるようになったし、運転の荒い奴とか下手な奴とかの横には座りたくない。それから、レスキューで事故や事件を一般の人より多く目撃するわけだけど、ひとつひとつが印象的で深く考えさせられる。
 ネネとアムのために俺は死ぬことができないし、死なない。
 目の前で起こった事故や事件のひとつひとつが、もしもネネやアムに起こってしまったら・・・・・・。
 ただ、昨日の事故もそうだし、多くの事故・事件がそうなのだけど、自分の意思ではどうすることもできないことが、やっぱりこの世の中にある。
 ある程度まで、知識と行動で回避することはできる。ある程度と言っても、かなり高い確率まで回避できるのじゃないかな。
 それをするのが俺の義務なんだなって。がんばらなきゃなって、夢を見て、思った。
 ちなみに俺が考えるどんなにがんばっても回避できない危険って、人の悪意、って思う。ま、運と言っちゃえばそれまでだけど、例えばこの間のコロンバイン(だっけ?)の大学の発砲事件とか、努力で回避できないよ。
 よくレスキューやってて死体とか怖くない? って訊かれるけど、死体はもうもはやそれ以上にはなれないからね。
 怖いのは生きている人間の方だよ、絶対。

*1:実際は何も改善していないけど