バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

健康宣言

こんなに吐くほど飲めません!

 酒もやめることにしました。
 たばこは元々好きではなかったことと、先日のアムの誕生日に何ヶ月ぶりかに口にして吐きそうになったのですっかりやめることができました。
 今度は酒です。
 なぜかというと、時々体が痛くなるので。
 マジマジ。
 飲んだときもしくは飲んだあとに、心臓がこうきゅ〜っとつかまれているような感じがするので。
 昨年の健康診断では言い忘れてて、今年のではちゃんと医者に訊いたんですが、検査結果の数値的にはなんの異常も見られないと。
 でも痛いものは痛いのです。
 というわけで、以下の日を除き禁酒いたします。

  • 自分の誕生日
  • アムの誕生日
  • ネネの誕生日
  • 海外に行ったとき
  • その他

 「その他」について質問が殺到しそうですね。そもそも何かを断つということ、何かを始めるということはなかなか大変膨大なエネルギーが必要なわけで。なので、あまり堅苦しく自分を追い込まず、ゆったりと健康になりましょうと、そういう魂胆です。
 よって、記念日くらいはいいじゃないか、と。
 よって、海外は特例ではしゃげばいいよ、と。
 そういうことです。
 レスキューで一般的な人よりは多く人の死や不幸を見ているわけで。
 そしてその不幸はいつだって唐突に自分や家族に降りかかるわけで。
 人は誰でもいつかは必ず死ぬ。どんな形であれ、必ず死ぬ。みんなそれはわかっていることだと思います。でも、自分が死ぬところを誰が想像できますか。一寸先は闇。畳の上で死にたいとか家族に看取られてとか、しかし、決して自分で選択して死に場所を選ぶことはできるとはかぎりません。むしろ幸せな形で人生をまっとうできるなんて、そちらの方が難しいことだと、レスキューの活動を通して感じています。いってきます。そう言ってそれっきりになることもあるでしょう。最愛の人とちょっとした行き違いでけんかになって、仲直りをする前に逝ってしまうことだってあるでしょう。
 ある日突然、大好きな人たちと会えなくなるとしたらどんな気分でしょう。あまりにもつらい出来事ですから、経験してみないことには、それこそ「想像を絶する」ほどのことかと思います。
 酒をやめたからといって、交通事故や事件に巻き込まれて死んでしまう確率はまったく減ることはほとんどないでしょう。けれども、数億分の一でいいから、たったそれだけのおかげで数分でも長く生きられたら、それでいいのです。
 結婚して子どもが生まれて、数年前の自分には想像もつかなかったようなところに現在身を置いています。ただ、自分はそれを喜んで受け入れています。守るべきものをずっと失いたくない、守るべきものと少しでも長くいたい。ただそれだけです。
 自分の子どもというのはこんなにも自分に幸せをもたらしてくれるものなのだとは、あの日、分娩室の前で待っているときですら想像もできなかった。日に日にできることが増えてきて、べたべたとまとわりついてくる娘の感触や匂い、そういったすべてのことがくすぐったいほどに幸せなのです。
 それをちょっとでも長く延ばせるのであれば。
 長く一緒にいたい。それから、大切な家族のために今ここで死ぬことはできない。
 そのためには何でもいいから、少しでもいいから、自分の身を守る手立てを検討し実行するしかないと考えました。
 そういうわけで、禁酒します。