アランヤプラテートへ
ハマさんの友人が日本から来た。古着などのバイヤーをされているNさんとそのお兄さんのYさん。Nさんはアメリカに買い付けに行くそうなのだが、東南アジア開拓ということでハマさんを頼って来られた。
で、そこに俺が便乗した。車出すだけでプロの仕事を見られるのであれば安いものじゃないかとハマさんに頼んでみなさんに連れて行ってもらったわけだ。
とても気さくな方々で行きの車中でかなり打ち解けた。
片道約240km。ハマさん宅から6回ほど交差点や角を曲がるだけでカンボジア。道が単純でいい。前回と出発時間はほぼ変わらなかったが、到着は30分くらい遅かったのかな。なぜか。路面がウェットコンディションだったため。やっぱりタクシーとの正面衝突でかなりびびりが入っており、また人の命を預かっての運転なので慎重に。
到着時アランヤの市場も地面が濡れていて少し涼しい。このまま前回のように曇ったままでいてくれればと思ったが、残念、途中でかんかん照りに。
これはきつい。ただでさえ広くて体力勝負の市場だというのに、こんなに暑いと立っているだけで体力を消耗してしまう。
タイはこの温度も考慮に入れておかないとえらい目に遭う。
前回埃で体調を崩した経験を活かし、マスク持参で。
路面がからっからになったために埃だけでなく砂まで舞う始末。持っていってよかった一品。
かなり早い段階で白いキャップ帽のカンボジア人につきまとわれる。チャリンコ使用者で機動力もあり、これは厄介だ。案の定知り合いの店へ、とか言い出すし、ハマさんに、もうちょいうるさいこと言ってきたら本気で怒鳴っていいですか? なんて事前に伝えてたら、察したのかいなくなった。
そんで、ふらふらっと立ち寄った古着Tシャツの店。
白い帽子の奴が。
って、追い払ったのに自ら彼の店へ来てしまった我々。
もう笑うしかないっす。
そこからはもう彼のペース。彼が知る古着ジーパンの店。ここでバイヤーNさんの目がキラリ。掘り出し物的にかなりいいものがあるそうだ。
しかし。
相手のおっちゃんもプロでした。ちゃんといい物はどれかということをわかっている。俺なんかはぶったまげるほど高い。
Nさんの買い付けスタイルからは割に合わないということで交渉決裂。そんでなぜか店のおっちゃんが切れる。なんでおっちゃんが切れるんだ。冷やかしで行ったわけではない。単にお互いの思惑が合わなかっただけではないか。プロだったが所詮その程度の人だったか。
で、もうひとつよくわからなかったんだが、白帽子がなぜか顔を引きつらせておろおろ。
もういいから、と。引き下がらないので、話番号をもらって、あとで電話するからと言いくるめてさよなら。デビンとかいう名前らしい。俺の携帯番号も訊かれたが教えなかった。以前ポイペト*1の兄ちゃんに教えたら夜中とかに電話がかかってきたりしてえらい目にあったことがあったので。いきなり電話してきて「ジャムダイマイカップ!(憶えてますか!)」って。ホントに猪木みたいな言い方だったの印象的。ジャムダイだけど、いちいち電話してくんなよ。置屋の呼び込みだったからなおたちが悪い・・・・・・。
まあデビよ、またいつか会おう! なんて、お互い、グッドラック! ってな感じで手を振って別れた。
そしてNさんがみつけた靴屋に入ったら、
「さっきのジーパンの件だけど」
とデビ。
さっき別れたんじゃないのかよ! だいたい別れた場所からそこそこ離れた店なのにあっさりみつけてんじゃねぇよ。全員で違う方向に一斉に逃げようと話していたが、確実にこいつから逃げることはできない。というか、確実にこいつは俺を追ってくるだろうな。だいたい、ハマさんなんか一言も口聞いてないからね。
そこからまたしばらくつきまとわれてやっと巻いた。
Nさんが買った物をいったん車に置きに行って、さて、と角を曲がったら、やあ、みたいな感じでデビ。もうだめだ、今日はこいつの日だわ。
それから昼食の間もずっとそばに。今までタイ語を喋っていたのに、なぜか昼食を境に英語で話しかけてくるデビ。タイの入国許可証を見せてきて24歳と書いてあり、何歳? とわざと訊くと「24か25」とありえない答えをするデビ。
アランヤの市場にいるカンボジア人は、タイから入国許可証をもらっているみたいだが、アランヤのみ、7時から20時までという限定で入っているみたい。
よく考えてみれば、カンボジア語、タイ語、英語と3ヵ国語を操るのだから、デビもなかなか切れる奴なのではないか。
と思ってが、どうもいまいち案内のレベルが低い。いい店を知っていると言って結局当たり的に掘り出し物が置いてあったのは最初のジーパンの店だけ。だいたいその店でさえ最終的に親父は切れたわけだから、いかがなものかと。
しかし、暑い。勉強させてもらおうと思っていたが、気力の限界が先に来てしまった。また次のときにがんばります。
夕方になって、ひょっとしたらデビにガイド料とか請求されるのではないかと疑いはじめたころ、あっさりといなくなった。アムが店を開きたいというのでサンプル的にいろいろと買ってたら、あっさりいなくなったらしい。いや、もしかしたらまたあとで会うだろうと思って自分の用事を済ませに行ったのかもしれない。我々はその後30分くらいで帰ってしまったから、あたふたと探していたかもしれない。
ただ、本当にガイド料を請求する気がなかったとしたら、今後仲よくしておいてもいいのではないかと正直思った。
帰りは片側一車線のところで交通量が多くて3時間くらいかかった。
夕飯は飲むつもりだったので、いったん3人を送ってから帰宅。タクシーで改めて集合場所へ。
自宅に着いたら、アムの友人らが来ていて、部屋がイサーン臭に。子連れできている人もいたのでネネちゃんもテンション上がりまくり。
頼まれていたタマリンドの石けんと買ってきた服を見せたが大不評。
「こんなイサーンチックなの、恥ずかしくて着られない!」
だってさ。
イサーン人のつもりになって買ってきたのに。
というか、アムが普段着ているのとどう違うのか全然わからない。
シャワー浴びて出てきたら人が増えているのにびっくりした。
アムにじゃなくて、ネネに、ほら新しく来た人、って紹介された。
夕飯はスリウォンのソンブーン。
土曜の20時半なのに客が少ない。
Yさんのデジカメを見せてもらった。かちょいいの。リコーのGRとかなんとかいうカメラ。これはほしい。でも7万円くらいすると言っていたから、タイバーツしか持っていない俺にはなかなか買えないんだろうな。
久しぶりのソンブーン。また程よい疲れでほてった体に冷たいシンハビールがうまい。
自転車に乗っていたから、手の甲だけ焼けて、指は真っ白だった。
楽しかった。
みなさんは明日はチャトチャックへ行くようだが、俺は家族サービスのためまたの機会に。
もっと勉強したかったが、暑さで中途半端になってしまった。もっと痩せて体力をつけたい。
それでも前回素人ふたりで見て回るよりもいろいろと学んだところは大きかった。
そしてプロのすごさを垣間見ました。