就寝前の攻防
抱き枕って一回使うとなくては寝られなくなる。特に暑いタイではね。
うちの抱き枕はふたつある。ひとつはアムと一緒になる前から俺が使っていたもの。もうひとつはふたりになったからと新しく買ってきたもの。もうどっちがどっちなのかわからないけど、とにかく、ひとつは胴体の部分がぺったんこで、もうひとつはかろうじて厚みがある。
俺は抱き枕を正統的に使っている。ちゃんと抱えるようにして股に挟んでね。アムは脚を乗せたりする程度。だったら俺が厚みがある方がいいじゃんか。
でもアムもやっぱり厚みがある方がいいわけで。
もう俺がどっちを使うかはわかりきっていることなのに、毎晩、厚みのある方はアムの側にある。アムがいなければ黙って取り替えて寝てしまうのだが、アムがいるときは引っこ抜くなりして無理やり交換。脚乗せているだけだからね。たいていアムが先に寝ているから引っこ抜く方が多い。
最近は俺が寝室の扉を開けると、さっと抱き枕を抱えて防御するようになった。それもたぶん無意識だと思う。抱えられるとさすがに抜けないね。
新しく買えばいいじゃんと言われればそれまでなんだが。