衝撃3
12時を回ったあたりで事故発生という話。ラチャダー・ラートプラオだと。
副隊長の車が出てったあと、じゃあ俺らも行くか、ってボスが言い出し車に乗り込んだ。ハマさんが荷台に逃げようとしたので、3人だから前に乗りましょうよ、と無理矢理連れ込み、その上俺はエクステンドの席に。ハマさんを助手席に。はめられた、ってハマさんが。
動きはじめてから「で、どこ?」と言い出すボス。
前方を見たらラチャダーとラートプラオの交差点にかかる橋の横に副隊長の車の緊急灯がちらっと見えた。ボスもハマさんも見えなかったみたい。
だから、橋の横だ、って。
行ったらいない。実はそこでUターンをしてたらしい。
我々はUターンし損ねて交差点で引っかかる。1回4分待ち。青になるのが33秒間で、1回目の青では行ききれずに2回目に突入。
よくある、交差点で勝手に窓を拭いて金を要求する子ども。ここにもいて、男の子で金髪。
「おまえ、何人だ? 白人か? タイ語わかるか?」
とからかい始めるボス。
タイ人だよ、と返す少年。
「そうかそうか、よし、フロントガラスを拭いてくれよ」
とボスに言われ、洗剤のついたスポンジでガラスを拭き、ゴムのへらできれいに泡を拭ってゆく。
だいたいこういうのは10バーツが相場。お金を受け取りにまた運転席側に戻ってきた少年。
「おう、ありがとな!」
と言い、ドアを閉めるボス。
拭かせといて払わないとは。ド強烈だ。笑ったな。
結局事故は3重玉突きで、車はかなりいってたけど、けが人はいなかったみたい。
それからずっと待機。
途中で、CPの米の営業をやっている隊員がフジスーパーで貼る250g増量の張り紙に日本語を書いてほしいと。俺は字が汚いのでハマさんに書いてもらい、ありがとうと俺が言われる。俺がやったのはハマさんに、250g増量中って書けばいいんじゃないですか、って言っただけ。お礼にユニフォームの背中とかに貼る反射板みたいなのをもらう。
ハマさんが隊員証をなくした。ポセイドンのところで電話があったのは車にないかという問い合わせで。
でもなかった。
いやあ、もうこれで報徳堂はやめなければいけないな、なんて言い出すハマさん。
隊員証関係ないし。今まで隊員証を使ったことないし。みんなもう知っているんだから、隊員証関係ないのに。
もう引退だな、的なことを嬉しそうに言っていた。
まさか、わざと捨てたのでは?
そういえばボスの家に取りに行ったシャツとは報徳堂のボランティア隊員用のユニフォームで、本部から新たに1枚支給されたみたいで、俺とハマさんの分も取っておいてくれたみたい。ラッキー。感謝感謝。
3時ごろに帰宅。帰り際に車のドアを開けた。うしろのスライドドア。雨よけのひさしを支える鉄棒が横にあるのを忘れて開けてしまい、ドアに傷を付けてしまった。ショック。初めての傷が自分のミスとは。
ホワイクワン市場に生脚は多数いるんだが、全体的に人が少ない。ラチャダー通り自体に車が少なかったし、裏道は人影がない。
ちょうどW杯のイングランド戦をやっていたからみたい。ハマさん曰くタイ人はイングランド好きみたい。
だからって人がいないわ、警官すら街に見ないって、みんなわかりやすいな。