バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

タイにまともな奴はいないのか? だってよ

 昨日から会社が始まっているんだが、どうにも仕事に目標が持てなくて、またあの毎日が始まると思うと辛い。なんかいい打開策があればいいけど。
 昨日、6月からいた日本人の営業の人が辞めた。いろいろと応援してきたつもりだったが、彼も限界を迎えたようだ。上司が上に立つレベルの人格的に達していない。彼がこういった業界は初めてで、それがわかっているのに採用しておいて試用期間中でさえ特に教えることも教えずただ怒鳴り散らしただけ。それじゃあ育つものも育たない。これで短期間で同じ理由で辞めていったのが4人目だよ。彼が辞めたのも完全にこいつのせいだと俺は思っている。
 俺が入社したときはまだ規模が小さくて、同じように教えてもらわなかったけど、自分でいろいろとやってみる時間があった。今は規模もスピードもまったく違っていて、経験者を入れるかじっくりと教えていかなければならない。こんな俺でもわかることがわからないのだろうかね。経験を見極めるにはじっくりと面接しないといけないし、教えるのも時間がかかる。でも、それをやることで将来がぐっと変わるってもんじゃないの? そこのところの時間は先行投資みたいなもんでしょう。それが面倒なんだな、奴は。
 年末に間が悪いことに彼は骨折した。で、ノートPCを自宅に持っていってメールなどで業務をしていたみたいだけど、年越し前にわざわざ運転手にPCを取り返しに行かせたみたいね。泥棒じゃないんだから。また、電話でも遠まわしに辞めさせるみたいなことを言ったみたい。それで彼の気持ちも折れたという。
 次の仕事先も一応みつかりつつあるみたいなんで、それだったらクビに持ち込んで金もらったいいじゃんかと訊いてみたけど、もうそんなことも嫌みたい。彼の最後のプライドってとこかね。
 上司本人は昨日、初日にもかかわらず、銀行に行くというわけのわからん理由で午前中いないしよ。彼は朝ちょこっと来て、辞表おいてさっさと行っちゃった。引継ぎもしなかったので若干去り際は悪い感じもあったけど、これは彼の最後の嫌がらせらしく。というか、入社6ヶ月程度の人に全部任せているわけはないだろうから、引継ぎがなくなって問題はないだろうし、俺が話を聞いたってちんぷんかんぷんだからそのまま行かせた。
 で、午後になって事務所に来た上司の最初の一言は、まともな奴はタイにいないのかよ、だって。おまえに言いたい。彼が何をやっていたかまったくわからないみたいで、引継ぎなしで行ってしまったことに怒っているようだった。年末に遠まわしに言ったんだったらこうなることは可能性として高かったことはわかるはずだ。銀行は午後だってやっている。それで来ないでその言い草もおかしいだろう。
 いろいろなことがおかしい。
 それが今日客先ではっきりなってなんかすっきりしたというか。
 今日、某日系大手のミーティングに呼ばれていた。親会社の超偉い人が来るということで、去年から言われていた。よくしてくれるそこの方が気合入れてきた方がいいということを教えてくれて、緊張して行った。奴には遅刻はできないですよと言って。普通に時間に来ないからね。
 そんで、時間前についたはいいんだけど、奴の携帯に別の客から電話がかかってきてしまいずっとそっちと話している。10分くらいは話してたんじゃないかしら。向こうの人達からはガラス越しに奴がずっと喋っているのが丸見え。待たせて待たせて会議室に。
 客先の偉い方は途中でぶちきれて退席していった。
 これ、よっぽどのことだよ。もうひとりいた方は数年前にタイで駐在していた経験があるらしく、奴とも一応顔見知りで、その偉い方もリカバーのチャンスを与えてくれる方だからがんばりなさいと言ってくれてはいたが、当の偉い方は、我々の本社の偉い人もみんな知っているので、日本に帰ったら言いつけて左遷するようにしてやるからな、みたいなことを言って出て行ったし。
 そのもうひとりの方も次のようなことを言っていた。前と違ってやる気なさそうだとか、海外慣れしてズレてきているよねとか、日本帰ったってもう適応できないでしょ、どうすんの? とかいろいろ。
 それで、チャンスはまだあると言ってくれているのにもかかわらず、その後も続いたミーティングにの中で1週間以内に回答くださいと言っていた内容の10分の1くらいしか内容を奴は理解できてなくて、あなた大丈夫? って言われてた。
 この人、人の話を聞いてないんじゃなくて、人の話を理解できないんだって改めてちゃんとわかった。日本語ができないんだね。
 自分もかなりまずい状況になっているけど、他人事な感じで言えば、はっきりと指摘されているとき、ちょっとうれしかった。憎き奴がやられていることもそうだが、なんか自分の中でうまく表現できなかった何か奴と社内が全体的に歪んでいる感じを言葉で的確に表していたからかな。ほかの客先、メーカーさんでもそれに気がつく人がいて、やっぱりちゃんとした人には見抜けるんだな。
 びびりつつ行ったので、かなり緊張してたし、途中で退席もされてかなり焦ったが、非常に勉強になる出会いだった。気が合う人や人間性に惹かれる人に出会えるという意味では普通の会社員をやって営業をやっていることに価値があるのだなと思った。
 これ以外でも奴は、5年も前に俺が報告しておいた某社で出禁になっていることが発覚した件が去年本社側でばれたりで、本当にあの方が本社にクレームを入れたら、奴はもう終わるだろうな。というか、元々その某社専属で対応する営業で入社したんだから、多少の愛着なり注目なりをしているはずなのに、出禁になっても放置ってなに考えているんだかわからんね。
 俺もちょっとやばそうだなあ。でも、実際手が回らないんだよね。日本人営業もそうだけど、タイ人営業も定着しないし、何十回と注意している業務のケアレスミスもなくならないから細かいことにも時間取られるし、どうしても広く浅くになってしまう。
 ま、そんな言い訳はせず、とりあえず、まずはこれを乗り越えよう。
 愚痴愚痴ですんません。