引継ぎと寅次郎とタニヤと

　いよいよ今日が最後の日に。
　アロハシャツにチノパン、先週からアムと知り合うまでずっとやっていたあごひげもはやし、軽薄そのものの姿で出勤。
　で、O君が帰ってくるのを待って引き継ぎ。が。O君、全然帰って来ないし。
　そんで、適当に上司が聞くことになったんだが、大丈夫か、こいつ。今までもそうだが、人の話をまともに聞いて理解していないことが多々あったのでね。なんで、自作の引継書には受領サインの欄を作り、全部サインさせて持って帰ることに。
　いよいよ5時半になり、さようならの時間に。
「誰か俺とハグする女の子はいないわけ?」
　って訊いたらみんな目を逸らせた。なぜ?　そういえば数年前に辞めた同期の営業（女性）のときにハグしてたので、俺もして!　って女の子たちに言ったらものすごい勢いで睨みつけられたのを思い出した。
　最後くらい……。
　ひとり泣いてくれた。のだが、40過ぎの運転手のおじさん。なので、この話は省略で。

　ハマさんとTちゃんと寅次郎にて打ち合わせ。この前来ていたYさんとの本の企画について。
　入店の際にハマさんの元カノのLちゃんがちらっと向こうに見えたので、ハマさんに、Lちゃんいるよ、って言ったら、店員がでかい声で、Lちゃん!　とか呼び出す。そのあとも事あるごとに俺が、Lちゃん!　って叫ぶとハマさんがものすごい勢いで止めにかかってきた。たしかにけしかけたのは俺だが、デートに出かけたはハマさんだ。Lちゃんは今でもハマさんを待っている、というコンセプトでこれからも弄り続ける。
　金曜のわりには客が少なかったな。ソンクランでみんな帰っちゃったかな。
　席の担当はナームちゃん。この子はかわいい。ハイネケンのチアビアの子はいなかった。

　飲み終了後、タニヤに。
　最初、さいあいに行こうとしたがやめた。先日来たときに俺の名前を忘れたら1時間ただにすると言っていた。別にそれを狙ったわけではないが、客とか結構連れていっているし、ハマさんだけ憶えているのはおかしいと言ったことに対してそう返ししてきたからね。で、下にいた人はやっぱり憶えていなくて。そこにちょうど刺青がいて名前を教えようとしてたから黙っててと言ったのにこっそり教えたことにムカついた。だから行くのやめた。でもまあ、刺青は元々好きで選んでたわけではないので、これを機会に他の子に移れるなと思うといいきっかけだった。
　そのあと、アテッサのあるビルを上から見ていく。というか、Tちゃんが、ここはだめ、ここもだめ、って言うから。わりとかわいい子が揃っている店でもだめだめだめって速攻で。あとで聞いたら店内が明るいからって。タニヤは女の子を選ばせるとき照明をフルにするからね。それを間違ったようで。
　そのときはそんなことわからなかったので俺もハマさんもこれ以上のところなんて知らないからなあ、って。
　結局、ブス専ラベンダーに。Tちゃん、即決で。基準がわからん……。
　俺はいつもの勘吉に。しかしよく見たら勘吉の眉毛がちゃんと剃られてて繋がりが断ち切られていた。色気づきおって。
　ここラベンダーに異変が起きていて、かわいい子が何人かいたね。ハマさんが選んだ子も結構かわいい。俺が勘吉の背中の匂いとか嗅いでいると、蔑むような目でハマさんの向こうから見ているのがシビれた。たぶんこの子も勘吉のことをブスと思っていると思う。
　店を出たらアムから怒鳴り散らす電話が入り、これはもう1軒行けるな、と。ここまで怒ってたら帰ってもろくなことにならないので、寝たころに家についた方がいいからね。
　そんで、もう1軒があなたって店。例の店→寒いのとYouTubeとハマさんがまたキレたのと - バンコクとレスキューと子育てとくだらない話と。恐る恐る入ってみたらいるし……。向こうも、ああ!　って顔。来やがったな的な。へこむわ。しかし、かわいい。かなりかわいい。
　結局違う子を選ぶ。俺は憶えていなかったんだが、前回Yさんが選んだ子みたい。で、キロロの長い間とビギンの島人の歌を選曲しだして、そうだ、前回も歌ってた、と思い出した。そのあと5曲ぐらい曲を入れてて、全部歌わされた。なんかマイクはなさないオッサンみたいに。黙って飲むよりはよかったが。しかしこの長い間はタニヤ嬢では相変わらず定番ね。
　1時半くらいになり眠くなって限界を感じて帰ったが、ハマさんとTちゃんはそこからホワイクワンにソムタムを食いに行き、5時くらいまで飲んでたらしい。すごい。