バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

この前の事件

Tan-BKK2012-10-02

 先週9/29の夜、胎児の遺棄事件があった。近所のおばちゃんが夕方に血のついたズボンを見かけていたがすっかり忘れ、夜になって友人に話し、ふたりで見に行った。そしたら、ズボンの下に胎児が捨てられててびっくり仰天。動転のあまり警察に電話しないで、近所のお友だちであるうちのチームのボスに通報となった。
 現場にはジーパン、下着、かばんが投げ捨てられていた。かばんには薬があった。名前の書かれた紙があって、もしかしたらその持ち主なのかもしれない。ひょっとしたら、中学生とかの可能性もあるような気がした。デックインと書かれていたので。Missに当たるのはタイ語でナーング。うちの子もそうだが、女の子の子どもはデックインと名前の前につく。
 いろいろと考えさせられてしまい、ぶっちゃけ気持ち悪くなった。居酒屋さざえの社長の杉森氏が取材で来てて、撮影するならと遺体を拾い上げるところを俺がやろうと思ってたけど、やらなくてよかった。ちょっと痛ましくて悲しかった。
 あとで聞いた話、あの薬は堕胎用のもので、薬屋で買おうと思えば買えてしまうものだという。こういった案件は非常に多い。タイでは中絶は違法なので、もぐりの医者がやっているんだが、一度その手のクリニックを見に行ったことがある。若い子で大繁盛してた。
 女の子も辛かったと思うよ。誰にも相談できなかったのだろうか。
 子どもを育てるのは大変かもしれない。前に勤めていた緑色の新聞の社長は子どもは金がかかるから持つべきではないと言っていたが、それは違う。金はかかるし大変だけど、金で手に入らないものも日々得られる。
 運命といえば仕方がないが、生まれて来なかった子のあるはずだった今日を思うと、ほんと悲しい。
 以下現場の写真。胎児の写真も晒すつもりではないが、現実としてこういうのがあるということで掲載する。


 タイの刑事さんはTシャツだからね。



 5ヶ月前後くらいではとのこと。もう手もちゃんとできてたし、心が痛んだよ、ホント。