バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ついに幼稚園始まる

 本格的ではなく、サマースクールが始まった。3年8ヶ月以上、生まれてから毎日一緒だった母親と引き離される日だ。俺だって取材でいないとき以外は家にいたので、ネネがその歳だったときよりも長くいた。ネネの場合は誕生日の関係で今の下の子のときにはすでに幼稚園に入っていたしね。
 泣くだろうなと思ってたけど、やっぱり泣いた。ネネは小さいときはアムの姉も結婚してなかったし、よく遊びに来ていた。近所にもネネの歳くらいの子どもはいっぱいいたから人に慣れていた。なので、幼稚園初日から泣くどころか、ドアの外から様子を伺っていた俺とアムのところに来て「早く帰れ」と言ったくらい。そもそも会社員だった俺がその時間になぜそこにいたのかはよく憶えていないけどねw
 今日は幼稚園に到着したら、まずクラスに名前ないし。結局は言われてた人数調整で勝手に隣に移されてたってだけ。
 遅めの到着だったのですでにほとんど子どもたちが揃っていて、半分が大泣きしてた。半分は泣きやんだ子か最初から泣いていない子。フロア中が子どもの泣き声に溢れかえっている中、教室のテレビに映る歌番組を平然と観ている。全然音なんか聞こえないだろうに。その温度差がすごくてちょっと笑ってしまった。
 下の子はその風景に唖然としていたが、たぶんその時点でもまだ自分が放り込まれるとは思っていなかっただろう。そして、そのときが来たわけで。先生に抱っこされた瞬間にやっとわかったようだ。「パパ〜!」って叫んでた。なぜ、普段お父さんと呼んでいるのにこの瞬間がパパだったのだろうか。
 泣き叫び、そして叫ぶ。なんかこっちがかわいそうで泣きたくなるよ。
 で、アムが見えていると泣くから早く出ろって怒る。そんときにやっと外に出る通路からなにからすべてに檻のような門がある意味がわかったよ。逃走防止用だな。教室も本棚でガードされてたし。教師に補助職員の計3人から4人体制ではひとクラスあたり十数名の泣き叫ぶ子どもたちを押さえることはできないものな。
 外に出てもまだうちの子の叫び声が聞こえたよ。表側に面した教室の親たちは窓からこっそり覗いている。アムが覗いてみたいと言うから、建物の裏に行ってみた。花壇に乗ると窓の隙間から見える。そしたら、教室の入り口で必死に我々の姿を探す姿が見えた。それを見てアムが急にしゃがみ込んで号泣。一瞬、草喰いだしたのかと思ったよ。俺だって泣きたくなるよ。
 しょうがないよねえ。就学の年齢になったのだから。これは試練だな。
 14時に迎えに行ったら、疲れたのか怒っているのか、下の子の顔が能面みたいになってたw しばらく喋らなかったけど、車に乗ったら安心したのか少し喋った。でも、学校にはもう行かないとか言っている。明日からしばらく大変だな。