バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

テレビ

 ふと思い出した。
 小さいとき、俺はテレビの中からこちらが見えてるんだと本気で思ってた
 理由がある。
 俺が通っていた幼稚園は梅島の方にあって*1、住んでいた所からそれはそれは遠かったさ。母ちゃんがチャリ*2で送ってくれるか幼稚園バスが迎えに来るかみたいな。いずれにしろ家を出るのがちょっと早い。
 俺はポンキッキ世代。ピンポンパンは全然知らない。
 朝8時からやってたじゃない? でも幼稚園行くから最初の5分くらいしか見れなかったような記憶がある。
 ある日、母ちゃんがなんかやっててたまたま遅かったとき、ま、結構な時間見れたわけよ。でもえらいからカバンさげて準備万端なんだけど。
 当時はあの緑とか赤の連中だけじゃなくて、ひげのデブとちょっと背の高いおっさんも出演してたっけ。
 そのときはそのおっさんらが何やらりんごの取り合いをしていたと思う。で、数が合わない。わかりやすいでしょ? 計算の問題よ。デブおっさんは間違えちゃう。
 背の高い方がカメラに向かって、テレビの前の君はわかるかな? なんてやるわけよ。でもさ子供ってそんなにバカじゃないじゃない?*3俺だってテレビからこっちが見えないことくらいわかってたさ。
 でも暇だったしテレビに向かって、その答えである「2」をピースサインで出した。あのころは団地住まいだったから、声出して母ちゃんに聞こえたら恥ずかしいじゃんか。
 そこで奇跡が起きた。
おっさん:「そこの君、頭いいねぇ。正解!」
俺:指で自分を指して、え? 俺?
おっさん:「そうだよ、そこの君」
俺:俺後ろをふり返る
おっさん:「君だって」
俺:「え? 俺?」ついに声を出す。
おっさん:「そう、君」
 マジ驚いた。
 それから小学5年生くらいまで、テレビでアイドルがニッコリしたりするとなんか恥ずかしかった。

*1:荒川区生まれの足立区育ち。

*2:死語? いや今でも使うでしょ?

*3:結果的には俺は超ばかガキだったということになってしまうが