自分にびびった

　かつてバイトしていたタイ料理屋の仲間が来タイ。3年ぶりに会ったわけで。
　とりあえずどこ行くかってなって、最近はカウボーイに行くんだとプチ嘘をついた俺。バカラの不細工ちゃんに会いたくて。
　一度会ってから、ハマさんが別の人と行ったときに、テーンはどうした?　って訊いてきたらしい。
　かわいいじゃない?
　最近言わないよぉ、デブのおっさんに会いたいなんて。
　問題は不細工なんだよね。
　ところがいとも簡単にその問題は解決。俺だっておっさんすから。なんでも来いっすよ。求められるまま、なんにでもなりますよ。魂も売りますよ。
　バカラの前に、カウボーイのソイ23側の角にあるアイリッシュパブへ。店員がかわいかった。バカラどころの騒ぎじゃないよな。
　で、いざバカラへ。
　いないし。
　往々にしてこんなもんよね。なんだよ!　来る前に、もしかしたら金使うからってATMから金を引き出してた俺ってなんなんだよ!
　仕方ないから中途半端なブス姉ちゃんらのおっぱおを2階席で眺めながらふてくされる。
　と、向こうから黄色い歓声が!
　あ、あの子だ!
　マンモスうれP!!
　俺は思わず心から叫んだね。
「ああ、不細工!」
　彼女が日本語わからなくてよかった。何も考えてなくて自然と、不細工、という単語が口からこぼれたよ。
　久しぶり、なんて話しているとお客がいるから今日はゴメンって。
　ガビ〜ン!!
　ショック。テーン君ショック。
　何がショックって、俺並にゲテ好きがいたとは!!
　クッソ〜!!　俺のボケを台なしにしやがって!
　そんな風にムカついている自分にマジびびった。