1:55 珍事発生
途中雨が降ったり、ってな感じだったけど、事故も事件も発生せず。
そんな中やっとこさ出動の案件。
が、まあ事件とか事故とかって分類するなら、珍事だよね。
ウィパワディー・ランシット通りのバンコク銀行敷地内で身元不明の爺さんがいるので迎えにいってというもの。
黄色いポロシャツ着た爺さんが座り込んでて、警官らがとりあえず自宅へ送ってってと。自宅は爺さんが知っているとさ。
で、訊いてみたら。
「ここをまっすぐに行って左に曲がったバ△●☆※ZZM▽」
全員「・・・・・・」状態。
「え? どこ? バ何?」
「バ△●☆※ZZM▽!」
「バ△●☆※ZZM▽?」
「違う、バ△●☆※ZZM▽!」
キレんな、爺さん。
歯がない上あごも曲がってて言ってることが全然わからないので、乗ってきた副隊長の助手席に押しつけ、みんなは荷台へ。
そしてゆっくりと進みだし、スティサン辺りで左に曲がりあるソイで右に。副隊長が「ここらしいんだけど」と。
で、降りてみたら警察の超超エライ人の自宅。うそでしょう? でも爺さんは間違いない、と。さすがに呼び鈴を押す勇気はない俺ら。
すると爺さんは庭の使用人かなんかの部屋に向かって、ナントカ、って名前を呼び出した。知り合いなの?
したら爺さん、
「やっぱりここじゃないわ」
だって。
で、即スティサン署へ護送決定で。
向かってる途中、ラミントラの辺りで、あ、このソイだ、って言ってたけど無視されてた。
署に着いて、待合室のソファーへ。そんで、さよなら。
無線で、
「爺さん身元不明のためスティサン署へ引き渡しました。現在ソファーで寛いでおります」
と報告してて笑った。
その横では若い女の子が捕まった彼氏と、檻と受付のガラス越しに囁き合ってた。
しかし、あの爺さん身寄りがないのかね。家族とか探したりしないのかな。日本だとこういうのって大問題になるし悲惨というか悲壮感が漂う事件だけど、タイって全然そういうのがないよね。前も自分が誰だか、どっから来たかわかんないばあちゃんが中央分離帯に立ってて保護したことあるもんな。アメージングですな。