バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

レスキュー

小休止で油断中のアーサー君

 昨夜は何もなく。
 本部の女性が現れて、新薬の実験台を捜していると。あれってなんて言うんだっけ? 献体は死体を医学生の実験とかに提供することだよね? どうも言葉が思いつかなくて。
 そういえば俺も日本で登録してたっけか。一度行ったな。でも俺の場合は呼び員だったけどね。事前の健康診断に引っかかる奴とか気が変わって逃げる奴とかいるらしくて、そういうときの予備。でも結局みんな問題なくて、俺は飲まなかったけど。それでもいい金もらったような記憶があるなぁ。
 あと友人が長期の行って、結構いい収入になったようだけど、悲惨だったみたい。外出はまず絶対禁止で、軟禁というか実質監禁だよね、拘束されてさ。でも20代の男たち十数人を閉じ込めておくのも不健康だと、たまに映画に連れてってくれたり、ゲーセンに連れてってくれて2000円くらい渡されて遊ばせてくれたあとに集団でまた病院に帰るみたい。付き添い付きでさ。その話を聞いたらなんか悲しいなって思った。
 日本のは金がもらえるわけだけど、このタイでの新薬実験台はボランティア。
 誰がやるっちゅうねん。案の定、全員拒否。
 それからそれぞれが方々へ散って、ボスやうちらは1時ごろ帰宅。
 それが昨日までの話。


 で、今朝から、今まで一度も聞いたことのない「タイ・ボランティア・デー」のイベントに参加させられる。
 場所はラートプラオのセントラルデパート内コンベンションルーム。よくわからんからもしかしたら盛大に飯でも食わせてもらえるのかなと思ったら、なんかブースが出来てて。もう最近勘が働くようになったね。ああこりゃ働かせられるんだねきっと、と思えば全くその通りで。
 報徳堂のブースは1ユニット。対する義徳堂のブースは2ユニット。なんだこの差は。向こうはテレビを置いてたり、報徳堂、ちょっと負けてる。
 先月か先々月にラマ4世通りのマンダリンホテルが火事になって、そのときの様子を先月、タイの決定的瞬間の番組「ルアン・ジン・パーン・ジョー((カメラの前で起こった事実とでも訳すか?))」が特集してた。ちなみにその日は義徳堂の担当日で、主に義徳堂が映っていて、インタビューに応じていたのはなんと白人の隊員だった。それも白いユニフォームの救急車隊員。本部付けですよ。
 俺はこれを見て嫉妬に似た羨望のまなざしを送ったね。
 で、きっと彼は今日来る、と思ったら本当に来てた。背が高くて8頭身でなかなかのハンサムガイ。義徳堂の中でも人気者のようでいつも回りに人がいる*1。なんか、悔しい。上には上がいるもんだ。話してみたいが、なかなかチャンスがない。
 時間が空いたので飯を食いに行く。ピザ。もうなんでもいい。スンゲェ腹減ってるから。800バーツだったから奢ってあげた。ハマさんに1000バーツ借りて。
 戻ったらマスコット的な着ぐるみが隣のレスキューではないボランティア団体のところに現れていた。俺は早速アーサー君*2と名付ける。したら、もうアーサー君が気になって気になって。踊ってたかと思うと急に棒立ちになって周囲をゆっくりと見回してみたり、うちわを取り出して口の中を熱心に扇いでるし。腹抱えて笑ったわ。
 そのあとちょっとしたきっかけで白人の人と話せた。日本人だって言ったら
「Oh、ハジメマシテヨロシク」 って。
 なんか、負けた。8頭身でかっこよくて、その上性格もよくて日本語もちょっとできるみたい。悔しいが俺はアンタに負けたよ。
 上には上がいる。
 アーサー君よ、おまえには負けていない!

*1:俺、どんだけ彼のこと見てるんだろうな

*2:アーサーはタイ語でボランティアの意