予想外
帰ってくるとき。
駐車場から出る際車が流れていたので突っ込んで行こうとしたら急に詰まっちゃって、車が歩道を塞ぐ感じで止まってしまった。まあタイならそういう風に塞いで止まっているのは普通なんだけど、日本人としては少々落ち着かない。
で、まあ、しばらく待ってたんだけど、ふと気がつくと向こうの方からちょっと嫌な予感が迫りつつあるのを見てしまったわけで。
目の見えない物乞い。カラオケのセットを抱えて歌いながらかつ杖で前方を確かめつつこちらへ歩いてきている。
あの杖で車をヒットされるだろう。
そもそもこの種の物乞い人は大抵家族なのかなんなのか、誰かを従えてるというか目の代わりとなって誘導されながら来るんだけど、こいつはアグレッシブにひとりでいらっしゃいやがる。っていうかそのための杖なんだけどね。
早く進まないかなという願い虚しく、彼はもう目の前まで来てしまった。ああ、叩かれるのも時間の問題。軽く叩いてくれ!
と思ったら、結構通行人が小銭をあげてるのね。
ひっぱるねぇ。
そんで、いよいよかと思えば杖を脇に抱え、もらったそばからポケットに小銭をしまっていく彼。
焦らすねぇ。
したらさ。
彼、なんと小銭をポケットに入れながら、杖を脇に抱えたまま歩き出すではないかい。体当たりですよ、それじゃあ。
なんとまあ、予想外な展開。
どうするんだろって思ってたらね。
普通に避けて行ったからね。
それもさらに俺の隣に突っ込んでた車も避けてた。
見えてるんかい・・・・・・。
どんな詐欺だよ・・・・・・。
どんでん返しをくらったね。