バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

その2

 メーカーさんと食事。シーフードのソンブーン。和食かと思っていたのに。早く帰りたかったが、スリウォンのソンブーンだからこりゃあタニヤコースだろう。
 で、案の定。
 どこがいいですかって訊くからいつものスーパークイーンに連れて行こうとしたら呼び込みたちが今日は寄っていかないの? って。昨日来たんかい!
 じゃあ、他にしようか。と言っても俺、知らないしさ。そこへちょうど来た呼び込みが女の子今日はいっぱいいますよって誘うから、じゃあそこにしますか、と。
 確かにいっぱいいるがそれほどでも。別にかわいい子もいないし。早く帰りたいからここで選んでほしいのだが、メーカーさんの年配の方がああ言ったりこう言ったり、俺に先に選んでとか言ったり、じゃあ他の店に行きますかって訊いてもはっきりしなくて。マジ、イラッとしたね。他の人と比べてそういうのない方なんだけどね。それくらいイラッとしたわけ。
 で、やっと選んで、もう早くしてほしいから俺もさっさと選んで、もうひとりの人もささっと選んで。
 ささっと選んだ人はちょっと変わった人が好きなんだって。なんかずっとうつむいている子がいたから選んだんだって。俺からは見えなくてうつむいてたことすら知らなかったけど。
 その子はうつむくのに理由があったみたい。当然選んだ人はうつむく理由は最初は知るよしもなかったわけだけど。とにかく、うつむいてたのが仇となったわけだね。
 何でうつむいてたかっていうと、俺にみつかりたくなかったんだね。
 なぜ?

























 親戚だから





 アムのいとこだ。
 お、おまえ・・・・・・。
 漫画みたいに俺も言ってたね。
 ただね、もし彼女が堂々と普通にしてたら俺はたぶん気がつかなかったと思うんだ。ファミマで働いているって聞いてたからまさかこんなところにいるとは思わないじゃんか。
 それが、ああ、みつかちまった、みたいな顔してるからなおさらさ、やっぱあいつじゃねぇの? と。
 でももっと言うと、それでも俺は確信がなかったんだ。だって俺が最後に会ったのは去年の12月とかだし、会ったときはおまえ何なりたいんだよって真顔で訊いてしまったほど太っていたのがだいぶ細くなってたし。個室に入るときにうしろから見たら肩のところに入れ墨があって、そんなのも知らなかったし。
 とりあえず、部屋に入って名前訊いたら、まんま。
 周りの女の子も、え? 知り合い? って訊かれて、彼女は、親戚、って、まんま。
 アムは知っているわけ?
 知ってるって。あの野郎。
 自宅に帰り着く前にアムに電話をされては話が余計ややこしくなるので、とりあえずアムには内緒で、ということで。
 その後絶対に目を合わさない彼女の正面で、俺もぎこちなくいつもの日本語しか話さない客に。歳は20歳。田舎はコラート。ま、まさか友だちを引き当てた? なんという不運? でも、友だちじゃないって。
 1時間経ってそこは辞して、疲れてて帰りたかったけど、口直しにもう1軒と誘われてスーパークイーン。いつもの女の子はいなくて、よくわからない女の子。出身はコラートだって。おいおい、どうなっているんだい、今夜は?
 0時回って、帰宅。
 アムに訊いたら知らなかったってよ、働いてたの。で、おもしろおかしく話しててさ、ついつい選んだ子がコラートで、なんて口を滑らし怒られた。
 しかし、早々と帰ろうと思ってた日でよかったよ。これが、友だちらとべろべろ状態で、またおっぱい見せろこの野郎とか、そういうモードの時だったら大変だったべ? もう行かない、というか、行けない、ということがこの段階でわかってよかった。一瞬、今日は最悪だな、と思ったけど、避けるべくところを発見できたので、ホントよかった。