バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

恥ずかしかった話

 夜、ランスアンのマメバというイタリアンに行った。
 高くもなく、特別おいしいというわけでもなく。でもまあ普通に及第点。
 田舎者の人らと行ったのだが、非常に恥ずかしい思いをした。いや、これは普通なのか? そこがよくわからんのだが、ただ俺から見たら、普通にありえないことをしでかしてくれたので、恥ずかしかった。
 俺は渋滞にはまってちょっと遅れて入った。で、いろいろと注文したあとで、食べてたわけよ。そこまではいいの。それで、ちょっと足りないからって追加注文をしたときに、スープを頼んでいない、って。
 パンプキンスープとなんとかスープって3種類しかないのに、オニオンスープって彼が。ないし。言ってって俺に言うのよ。自分で言えばいいじゃんか。当然店員はありませんと。じゃあなにがあるんだと彼。いや、メニュー見てるじゃん? 店員はメニューにあるスープを言い、彼はじゃあコンソメスープと。メニューにないじゃん? 最終的にパンプキンスープをオーダー。
 2分もしないでやってきたスープは当たり前にスープ皿にひとり分。飲む? って彼。そのあとなにを言うかわかったので俺はいらないと。
「これ、3つに分けてって店員に言って」
 これを分けろって言うんですか? 俺は普通におまえはばかですか? と言っているように聞こえるように言ったよ。でも、そうだって。そう、ばかだから仕方がない。
 トムヤムとか鍋みたいなのに入ってくるスープならわかるけど、ひとり用のスープ皿に入ってきているのならば、人数分頼むのが普通じゃないの?
 俺が間違っているのかね。
 食は文化だ。長い間に食事とそれを食べるマナーというのは進化したり洗練されて今に至っている。言葉や生活様式、宗教、環境、そういった諸々と共に今に至っているのだから、それは文化なんだ。以前いたタイ人の営業は日本が好きで日本語もそこそこ話せたが、うな重を頼んでスプーンで食べるような奴だった。日本のうなぎ屋でうな丼をスプーンで食べてたら、それはどうかという話でしょう? 我々はタイにいて日本人でイタリア料理を食べていても、やっぱり最低限のイタリアのマナーを守るべきだ。というか、そういったマナーを楽しむのもヨーロッパの料理のひとつじゃないのかなと思う。
 ひとり分を俺以外の3人で分けたのでどうなったかというと、小さな器に底が見える程度、スプーンでひとすくい程度が戻ってきた。
 恥ずかしいと思う俺がおかしいのかね。
 でも、そこそこいいレストランで、居酒屋で食べているわけじゃないんだから、それはおかしいと思う。
 というか、なんで俺がそれを言わなければならないのか。
 子分じゃねぇんだよ。年上とはいえ、自分のことは自分でしなけでばならない。水を取ってとか灰皿取って来てとか、たばこ買ってきてとか、何様だ。
 この人はかわいそうな人だと思う。こういう風に言ったらほかの人まで批判することになるし、よくない言い方だが、この人は本当に田舎の人なんだなって思う。きっとこの先このままだったら苦労するというか、人望というか尊敬してくれたり慕ってくれたり、応援してくれる人(特に部下だったり後輩だったり)が集まらないんじゃないかな。かわいそうに。会社員としては致命的でしょう。致命的ってことはないか。でも、恥ずかしいよね、そんなリーマン人生。
 俺はああいう風にはなりたくないし、今そう思うんだから、あの人の年齢のときにはあの人の上を行っていられると思う。
 そう考えると、まだまだ俺はいけるね、たぶん。なんて?
 以前勤めていたクソみたいな会社のクソみたいなおっさんが、下と付き合ってちゃいけない、って言ってた。確かにそうだね。下を見てちゃきりがないし、上を見て自分を高められればって思う。ちなみにそれを言ってたクソみたいなおっさんはクソだから、その話を聞いてから一切連絡していない。
 すまんね、ぐちぐちで。