バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

映画の食事のシーン

 食事のシーンというのは特別重要なシーンということはそう多くはないけど、やっぱり常識的な感じでさらりとやってほしいものだ。
 ハリウッド映画をはじめアメリカ映画の大半はどうも食事のシーンが粗末という気がしてならない。
 フォークに肉を刺してふりふりしながら喋ったり、つんつくつんつく突きながら喋ったり。愛と青春の旅立ちで自殺しちゃう友人の親と食事するシーンでリチャード・ギアが肉をつんつくしてるんだよね。まずいなら食わなければいいし、突くこともないだろうに。
 あと家族ものの映画とかで食事中にけんかがはじまってそんなに食べてないのに怒って自分の皿を流しに持っていって捨てちゃったりするでしょ。で、それに対して親が何も言わないって、もうありえない。
 なんでこういうことを思い出したかというと、さっきアポロ13をテレビで観たんだよね。
 この映画、結構好きで何度も観てる。CGとかかなりリアルで、打ち上げのシーンはNASAの人がこんな映像うちにあったっけ? と言ったとか言わないとか。最後の空母のシーンでは艦長みたいな感じの人、本物のジム・ラベルなんだよね。あと、劇中にテレビにウォルター・シラー*1が映るんだけど、アポロ13のときにすでにあんなに歳くってるような人なんだっけ?
 そんなことはどうでもよくて、食事の話ね。
 アポロ13は何度観てもいい映画なんだが一ヶ所だけ絶対に引っかかるシーンがある。初めて観たときからそこが引っかかって。ジム・ラベルの嫁さんが娘たちとジムの母親に会いに行って、母親が下の娘に「怖いのかい?」って言ってる顔が怖いのよりも気になるシーン。
 いよいよ地球に帰ってくる日かなんかにジムの自宅でみんなが集まってきて女性陣が食事を作っているシーン。サラダかなんか刻んだ野菜がいっぱい入ったボールを抱えて、女性がほかの女性とぶつかる。ボールが落ちる。で、ボールからも野菜が少し落ちる。ふたりの女性は互いに謝りながら落ちた野菜をボールへ入れる。
 そういうシーン。
 おい、ちょっと待て!
 ボールの中身に対して落ちたのはほんの一部だろう? それをそこに入れたということはまた洗うのか? 落ちていないものまで一緒に洗うのか?
 だいたいアメリカ人は靴はいて家の中を歩くでしょ。そこに落ちたものを落ちていないものと一緒にするか?
 わからん。神経がわからん。アメリカの役者さんがそういうことを気にしないのか、それとも本当にそういうことを日常でするのかね。
 バック・トゥー・ザ・フューチャーの最初のやつの最後のシーンで、ドクが未来から戻ってきてマーティーと彼女を連れ出すとき、未来で改造したエコ装置にゴミの燃料を足すシーンがあるじゃない? ビールかなんかを缶からどぼどぼっと流したあと、缶も装置の中へ。じゃ、缶ごと入れちゃえば同じじゃね? っていう。でもあれはその突っ込みを狙ったジョークの典型なんだってね。
 それと一緒? 落ちた野菜を一緒にしちゃうっていうジョーク?
 そうだとしたら、それはどうかと思う。

*1:だと思っているんだが。小さいころに父親に連れられて観にいった『宇宙からの帰還』にも出てきて、それを観るちょっと前に『ライトスタッフ』も観てたから印象に残っている顔で