バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

献体回収とステッカチューン

お手伝いの日

 昨日は朝9時にチュラロンコーン病院へ集合し、医学生の解剖実習に提供された献体を寺に運ぶ行事。タイは3月から5月までが夏休み。2月末で年度が終わったので、解剖実習も今年のは終了した。先週は約100体近くあって、決められた寺へ運んだと。俺は参加していない。この行事が唯一、ボランティア隊員の車に死体を乗せることができる日。そして今日は88体を3ヶ所の寺へ移送する。
 タイ語で「献体」は「ア-ジャーン・ヤイ」という。直訳すると大きい先生で、校長先生とかもアージャーン・ヤイとなる。つまり、医学のために献体をして後の医学や医師の卵を育てるというその精神に敬意を表してそう呼ぶということだろうか。
 ちなみに「献体をする」とはタイ語で「ボリジャーク・ランガーイ」というらしい。トイレに行ったときに受付があってでかく書いてあった。ボリジャークとは寄付。ランガーイは肉体とか身体とか。体の寄付って聞いていやらしい想像をしてしまうのは俺が汚れているからだろうか。それとも正常な成人男性だからだろうか。
 さて到着してまずはじめにすることはいつもの通り食事。レスキューの行事では絶対に食事の心配はない。が、朝からガパオって。バジル炒めね。辛いし。
 チームも我々だけではなく、各地から集まってきて、まるで同窓会のよう。朝から信じられないほどハイテンションな面々。
 さて、それも早々に、早速ご遺体回収に入る。
 地下に遺体があって、それをここに運んでくる、と。遺体を袋に入れるんだと聞き間違って、妙なテンションで地下に行くと、きれいに目張りをした棺桶に入っていて。

 そんで、これをまず最初の寺へ運ぶ分だけ上へ。最初は16体。


 これが結構重い。
 そしてお寺の人が簡単に供養。


 それからボランティアの車へ1棺桶ずつ乗せていく。

 そして最初の寺、ディンデーンのタパーン寺。ここは前に住んでいた辺り。ワートレまで向かう間、信号無視、サイレン鳴らしまくりで結構楽しい。最近タイでも信号無視の取り締まりを強化していて、自動で撮影して後日出頭の手紙が行くシステムができている。全員それで捕まったら笑える。

 タパーン寺はそれほど大きくないので、小さな火葬場の小屋に運び入れて終わり。
 そして急いでまた病院へ戻る。


 またわっせわっせと地下から上げて車へと。
 途中太めの男性の遺体に当たってしまい、たまたま近くにいたがために担がされる。しかも後ろの角に身長180オーバーがふたり、前に俺と俺より低い人。全部俺の肩に重さがくる・・・・・・。マジで落とすかと思った。
 2ヶ所目は別の車が行ってしまい、しばし休憩後、最後の大きい寺へ全員で運び込む。
 もう戻ってこないというので、俺も車を出して隊列を一緒に走行。ちょっと楽しかった。サイレンがないので、ハマさんが交差点に来るたびにほかの車のようなサイレン音を口で叫ぶ。とっても不謹慎。タパーン寺もそうだし、この走行もそうだが一般市民からしたら何事だろうかと思っただろうね、この隊列。

 ここは一番数が多いのでいったん整列して火葬場へ運び入れる。タパーン寺のときは気がつかなかったが、ちゃんと警察が来て棺桶に書かれている献体の番号を確認していた。


 みんな棺桶の前でピースして写真を撮ったり、不謹慎。最後の集合写真はもう記念撮影でみんな思い思いのポーズを取ったりする。
 して、昼の12時過ぎに完了して解散。



 そのあと、友だちに連れて行ってもらいステッカーチューン。ランシットのステッカー屋さん。



 しかし、タイ人っていうのはホント手先が器用。いとも簡単に貼っていくのね。
 ちなみに、できあいのシールもあれば、今回のように文字を頼んで切り抜いてもらうこともできる。頼んで貼りはじめるまで10分くらいかな。
 で、なぜか俺に意見を一切訊かず、店員と友だちでいろいろと勝手に決めて貼っていく。持ち主無視・・・・・・。

 最後、店員じゃなくて友だちが自分で貼りはじめてたし
 全部で1600バーツ。ちと高い気もするが、まあ、ぼられているってことはないだろう。
 前。

 横。ちゃんと隊員番号も入れた。

 後。

 これで悪いことはできない。


 自宅に戻り、ネネとアムと今週の食材の買い出し。
 ネネをボールプールで遊ばせながら寝てしまいそうになる。
 疲れたので夕食はピザの宅配。サービスで1枚頼むともう1枚ただだって。そんな食えない。小さいやつだったら2枚でもいいけど、とアムに聞かせたら中くらいのと大きいのがもう1枚付き。
「じゃあ、中くらいのスーパーデラックス1枚で」
「もう1枚は何にしますか?」
「いや、1枚で」
だめです、プロモーションでもう1枚付くので、必ず頼まなければなりません
 だめって・・・・・・。