バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

タイの吹き替え映画

アム・パチャラパー

 タイのテレビで映画とか見ていると、まあUBCの字幕ものはいいにしても、吹き替えはひどい。やっつけ的な録音をしているのではないだろうか。
 まず声優が絶対的に少ない。映画でも外国のバラエティでもほとんど同じ人のような気がする。ちゃんと聞いてないが、印象では10人くらいしかいないような気がする。
 あと、録音の仕方もひどい。絶対シーンが変わったりする瞬間にオリジナルの音声が入る。もしくは、たとえば戦争ものとかアクションものとかで爆発音とかと同時に喋ってたり、普通の映画でもBGMとかが本来ならあるところを吹き替えの音声でかぶせちゃう。
 ほかは知らないし、もしかしたら日本の吹き替えとか字幕ものもそうなのかもしれないけど、オリジナルとは違うセリフを入れたりするし。「猟奇的な彼女」の日本語吹き替え版と字幕版と両方観て、アムも観たいというからタイ語吹き替えのVCDも観たんだ。したら、タイ語吹き替えのは全然違うセリフとかがかなり入ってた。たとえば、冒頭の写真館で写真を撮るシーンでおばさんから携帯がかかってくるシーンで、韓国語のオリジナルでも日本語吹き替えでも撮影者は黙っているのにタイ語版は文句を言い続ける。あと、彼女と出会った電車で隣にいたおじさんに彼女のことを笑うシーンでも同様にタイ語版だけ文句が入る。それから同じシーンでアナウンスで「次はトンロー」って。BTSじゃねぇんだよ。
 監督の意図とかそういったものはなんにも気にしないんだろうなぁ、と思う。映画好きとしてはやっぱりそういうところも忠実にオリジナルにしなければならないんじゃないかと文句を言いたい。映画館でもエンドロールを見ないのはいいけど、映画館自体が電気つけてさっさと帰れよ的なことをするでしょう。映画館は映画好きが経営するべきだね。
 ちょっと話は違うけど、中国映画は普通語バージョンと広東語バージョンといろいろあるでしょ。昨日スー・チーの刑事ものかなんかやってて、中国語の方を聞いてみたら吹き替えだった。一昨年大阪に行ったときに「SO CLOSE*1」を観たら、やっぱり吹き替えで、カレン・モクとかは本人の声っぽいんだけど、スー・チーとヴィッキー・ジャオは吹き替え。こういうのって撮影の時にも違う言葉で演技しているのかね。タイのDVDは普通語と広東語を選べて、当然カレン・モク吹き替えを選んでた。普通語バージョンってことだよね、きっと。


 なんでこんな話になっているかというと、昨日仕事中にアムから電話がかかってきて、猟奇的な彼女のDVDはどこに行った? と。なんで? と。それで思い出した。
 で、その、なんで? のアムの返事は。
「電車で吐くシーンとか観たくなった」
 ・・・・・・なに考えてるんだ?


 先日知人と話していたら、今テレビでやっているアム・パチャラパーのドラマの撮影を見に行った、と。外に愛人を作りまくる旦那と妻の話、みたいな。もうとにかくどろどろしてて。
 そのドラマに日本人が出てて、知り合いなんだって。アム(うちの)が観てるのでなんとなく横で見てたりして知っていたが、日本人役のタイ人かと思ってたら、本物の日本人だと。タイ語がうまいのでタイ人かと。
 その話をアムにしたら見に行きたいと。
 で、頼んでおいたんだけど、日曜と今日の撮影で行けなかった。日曜は行こうと思えば行けたんだけど、こういう撮影って前日になって決まるんだって。さすがタイ。
 今日が最後の撮影で、アムが言うには今日の夜最終回。ちなみにこのドラマは月曜と火曜の夜。タイでは2夜連続、1回2時間くらい。
 っていうか、今日撮影で今夜最終回放送って、普通にすごいな。なんかトラブルがあったらどうするんだろ。生放送なのかな。
 昨夜の放送は最終回間近とあって、どろどろ度がかなり高かった。最後の方ではアム・パチャラパーは拳銃出してたね。
 タイのテレビではたばこや拳銃が映るには映るけど、口にくわえたり人に突きつけたりするとモザイクがかかる。昔のドラマとか映画ならともかく、そういう規制の下での撮影ならば最初からそれを使わなければいいのにと思ってします。
 さっきの吹き替えもそうだけど、そういう細かいところで引っかかるような作り方はぜひともやめてほしいものだ。


 そういえば、昨夜義徳堂の白人の隊員がテレビで特集されていた。
 彼は自分の車で、無線を聞いて動いているようだ。
 悔しい。
 俺ももっとがんばりたい。

*1:夕陽天使だっけ? 日本上映のタイトルもSO CLOSEだったっけ?