バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

答えがない

 昨日、ここのところ夜間取材で走り回った締め切りが終わった。これが終わっても、また次の仕事があるので延々と締め切りに追われる日々。でも、これが望んでいた日々なので、いいことではあるんだけど。
 締め切り前はナーバスになる。自分が書いたものがいいものかどうか。答えのない問題が目の前に立はだかる。そして、そのときに最高のものだと自分が信じるものを出すわけだけど、そこに間違いがないか、編集者に受け入れられるか、そして読者が楽しめるのか。締め切りという期限をクリアしても、結局その仕事に終わりがない。
 ひとつ仕事をクリアするたびに、それまでできなかったことができるようになり、以前よりもいい仕事がきっとできるようになる。だとすると、締め切りに間に合わせた最高だと思えるものが、その後振りかえれば、ああした方がよかったこうした方がよかったのではないか、と思えてくる。これは決して手抜きとかではなくて、締め切りと同じでいつまでも延々とつきまとうことなんだと思う。そのときは最高と思えても、それをできるようになった今はもっといいものができるはず。もしこれほどいいものはもうできないと思えたら、それはライターとして終わりを意味するのかなと思う。
 昨日、ひとつの大きな締め切りが終わったけど、結局締め切り前と緊張感が変わらない。なにも終わっちゃいない。じゃあ、この仕事がいつ終わるのかっていうと、永遠に終わることはなくて、このテーマをもっと掘り下げてみたり、違う視点から取り組んでみたりして追求していかなければならない。ただ、区切りとしては、たったひとりでも、読んでくれた人が「よかったよ」と褒めてくれる瞬間なんだ。
 また次の締め切りが待っている……。