バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

4:10 手当

 全部で4人の若者の内ひとりだけが負傷。
 太もものところに親指の太さくらいの傷で脂肪がぽこりと出ちゃっている。ハマさんはすぐに気がついたらしいけど、俺は何も考えていなくて、というか、なんでトランクスみたいなパンツとサンダルで友だちと遊びに行くかねぇ、ってことが気になってて、アイスピックかなんかで刺されたのかなぁ、と。
 で、とりあえず傷を洗ってたら副隊長が、貫通したのか? なんて。そのときもまだ気がついてなくて、そんな長いアイスピックはねぇよ、くらいにしか思っていなかった。太ももの裏側を見たら同じような傷があってやっとわかった。
 銃創ね。撃たれたのね。
 なんで病院に行かないんだろ。被害者なら手錠することもなかろうに。
 いつでもそうだけど、現場はいつもばたばたしててなかなか真相がつかめない。このケースでも女の子を捕まえて帰さないから警察に捕まったとか、いろいろ言われてて、でも最終的には麻薬関係の容疑で職質をしようとしたところを逃げたので警官に撃たれたんだと。要するに容疑者だったから病院に行かせないわけ。
 しかし、19歳の若者に撃つかねぇ。足なんて狙っても当たらないぜ、なかなか。撃つかねぇ。部屋着のズボンなんだから許せばねぇ。
 そんで結局取り調べが終わるまで病院へは行かせないと。これだって結構危険なんだけどね。出血とか、傷からばい菌が入るとか。ただでさえ焼けるように熱い火薬だらけの弾が当たっているわけだから。動脈いってたらどうするべ?
 そんで、待っている間隊員のみんなでこの若者軍団の誰かの彼女と思われる女の子の脚や胸元を観察しては評する。さらに誰かの母親と思しき人が来て、女の子が挨拶してた。スンゲェ嫌な対面だなぁ。お母さんもまた安物のトランクスみたいな部屋着のズボンにサンダルだし、あいつの母親じゃね? みたいな感じでくすくすと笑う。
 俺なんかまた間違えて女便所入ってたしさ。
 それから、今日のスティサン署が賑やかなのはどうやら飲酒検問で捕まった人たちらしく。タイでは裁判所での判決後1万から2万バーツの罰金と48時間の社会奉仕活動。どう見ても客とお水系と思われるグループなんかはいちゃいちゃしたりして、ホント悲壮感ゼロで、逆に気持ちよかったよ。