2:24 ひき逃げ、というかなんなのか
ハマさんが誰かに電話をしている。
その向こうからものすごい音をさせてシャコタンのスポーツカーが。スティサン署の門のところなんかフロントバンパーをがんがん擦りながら猛スピードで走り抜けていくしさ。どうやらそのものすごい音はほかにもパーツが壊れて落ちかけているようで。
なんだコイツ? とみんなで眺めていると、署のドアの前で止まったようだ。捕まったのかな?
と思っていたら、バイクが1台猛スピードで走ってきて、あいつ(そのシャコタンのこと)、バイクをひき逃げしやがった! と。
全員で車に飛び乗り現場へ急行。被害者が死亡したという情報まで!
来た! ついに来た!
っていうか、今考えるとあの瞬間俺はかなりおかしかったと思う。この1週間の疲れが一気に変な方向へ発散されようとしていたのかもしれない。
現場に着くまで、やった、ついに来た、来た来た来た来た、死体の現場来たよ〜、ってぶつぶつ言い続けていた。
そんで現場に到着し、走っていったら、被害者、普通に座っているし。
本当にすいません。でも、本当のことを言うとがっかりしました。
骨折もなし。出血もまぶたが少し切れているだけで超微量。ま、軽傷の部類で。
さっきちゃんと起きたりしていたのに、俺とハマさんでとりあえず傷口が本当に大きくないか洗ってみているところへ別の連中が来て、首の固定。まあ念のためにした方がいいんだろうけど、さっき普通に起きてたからなぁ。
そして副隊長の車で運ぶことになったんだが、2人しか乗っていないので、ハマさんを置いてけぼりで乗っていく。ちょっとね、しっこしたかったんだわ。
病院はカオサン通りの近くの、ナントカって病院。名前忘れた。