ネネのワクチン
今日はネネのワクチンを打つ日。
11時半ごろには病院へ到着。
小児科のフロアにあった水槽やアスレチックが撤去されてたり、プラスチックのハウスも一部なくなっていたり。半年ほど行かなかったこの間になにがあったのだろう。
今日はいつもよりも人が多い。でも、先生は早めに出てきたし、うちらも早く行ったおかげでそれほど待たずに済んだ。
診察。
診察室に入るなりしかめっ面で警戒し全開でネネは先生の顔を見ている。聴診器を当てている間もじっと先生から目を逸らさない。
ステンレスのへらみたいなのを出してきた途端、きっとネネの記憶の中に口の中を見られるというのが残っていたのだろう、ぎりぎりと音が出そうなほどに食いしばって口を開けようとしない。先生には悪いが、俺はそれを見ながら大爆笑。最後、先生、こじ開けてたからね。笑ったわ。
豚インフルエンザについて訊こうと思ったら、さすが私立の病院、ちゃんと先生から説明があった。
まずは人が多いところにはあまり行かないこと。
なにか触った手で鼻や口、目に触らないこと。特に目を擦るとそこから入ってしまう。
当然、手洗いは頻繁にして常に清潔にしておくこと。
手洗いの件はアムには豚インフルエンザのはないが出たときから言ってあって、とりあえず外から帰ってきたらまずは洗うという習慣がついていたようだ。
それと目から感染するということは、マスクの効果について疑問を呈しているブログやらコラムやらの情報で得ていたので盲点という気もしなかった。
どちらかといえば目新しい情報をくれたわけではないけれども、ちゃんと医師の立場から説明をしようという姿勢を評価したい。
まあ、なんでこんなことを言い出したのかだいたいわかりつつ説明を聞いていたんだが。
「ワクチン、打ちますか?」
やっぱり商売だった。
といっても豚インフルエンザのワクチンではなくて、普通のインフルエンザの方のワクチンみたい。タイは雨季なので流行の可能性もあり、まあ打っておくに越したことはないですよ、と。だいぶ前もなんかのワクチンを打っておいた方がいいけど、どうする? って訊かれた。そのころのネネのワクチンは生まれたときに買っておいた1年分のワクチンをまとめて買えば安いですよ的なパッケージだったので、別途お金がかかるし高いよ、なんて遠慮がちに言ってくれてたんだが、600バーツ程度で安いじゃんなんて言ったもんだから、今日はそれほど訊くこともなく「じゃあ2週間後でいい?」と軽く決められた。
そういう流行の病気っていうのは空気が乾燥しているときに流行るんだと思っていたが、雨季に流行るものなのかね。豚インフルエンザなんて聞いて、この時期に流行るもんなんだ、って最初の印象。
診察が終わっていざ注射。
今日は左の腕に打ちこむようで。
おばちゃんの看護婦に椅子に座るように言われたのだが、これが酷い!
「はいはいお父さんは椅子に座ってくださいね〜、はい、こうやって娘の右腕を握って、ああ左腕はこうやって出して、そうそうそうそう、うまいわねぇ、上手ねぇ、そうそうここもこうやって、ああ上手ねぇ、はいしっかり抱えて、上手上手〜」
わしゃ子どもか。
今回はネネはまったく泣かなかった。
終わってワートレへ。
昼がまだだったので大戸屋へ。アムが豚キムチ炒めを気に入ってしまい。
食後パワーバイでぶらぶら家電を見てたら電子ピアノが。ヤマハのとか4万バーツ台だし、カシオのなんかは26000バーツ前後と思ったより安い。キーボードと電子ピアノってなにが違うんだろうって思ってたが、中学のときそれを説明してくれた人がいて。まあ単純にキーボードは強く叩こうが軽く叩こうが同じ大きさの音しかでないが電子ピアノは強弱が表現できる、と。それを初めて聞いたときから電子ピアノを見ると鍵盤を強く叩いたり軽く叩いてみたりしちゃう。
で、電子ピアノ見つけたから寄っていって叩いてみた。スンゲェ技術だなぁ。ちなみに小学校2年生のころにピアノを習っていたので、ドレミの場所くらいはちゃんと知っている。ちょうちょとか発表会でやったやつは今でも両手で弾ける。アムにやって見せたらすごい! だって。赤のバイブルのレベルなのに。バイブルだっけ?
それを見て食いついてきたのはアムのほかにもうひとり。ネネです。
もうだめ。椅子に座っちゃって降りやしない。隣のピアノの椅子を指して、俺とアムにそっちに座れ、と。
「ナングダイ、ナングダイ。ナングダ〜イ! ナングダ〜イ! ナングダイ、ナングダ〜イ!」
なかなか座らないからだんだん声が大きくなるネネ。ナングダイで座ることができるなのだが、この発言を普通に訳すと「座れるよ、そっち座れるって。だから座れるって。座れるっつってんだろ〜!」てな感じか。
20分くらい待ったが全然飽きそうにないので、最後とっつかまえる様にして連れ去った。
そのあとは伊勢丹のいつものアスレチックで遊んで、ビッグCで買い物して帰った。
アスレチックでタイ人のネネよりちょっと大きい子が転んで大泣き。そのお母さんが来て慰めていた横を、ネネがそれよりも激しく転倒。俺もアムも「あ!」と思うような転び方。
「あははははははは!」
ものすごいテンションで笑いながら起き上がりまた走っていった。
それを見てそのお母さんが、ほらあの子は全然泣かないよ、なんてやってたけど、あんだけのテンションで笑うのもちと怖いんじゃないかね、と俺は思った。