バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

たばこのマナーとステーキとネネの人形遊びと

薬を飲んでください!

 タイはシンガポールのように最近ではレストランはともかく居酒屋、パブ、ディスコなどでたばこが吸えなくなっている。2階に席があるところとか、カラオケみたいなところの個室なんかではOKってところもあるけど、まじめな店なんかはどこも禁煙にして、外に喫煙場所を設けているようで。
 俺なんかはもう吸わないし、元々そんなに好きではないから、そうなっても不便に思うこともなかっただろうし、ま、みんなやめればいいじゃん、ってな感じ。
 それほど好きではないが喫煙者だったから、両方の気持ちがわかる。喫煙者には肩身が狭い世の中になったという嘆きの気持ちもわかるし、吸わない人の迷惑も知っている。
 まあ、火のないところに煙は立たないから、やっぱり吸う人が気を使わなければならないとは思う。
 実際、かなり臭いからね、たばこの臭いって。
 たった一言でいいんだよ。吸ってもいいですか、って。だめって人はそういないだろう。
 これが一部のヘビースモーカーとかは平気で吸うでしょ。吸わない人がいても吸うでしょ。訊かないで吸うでしょ。なんだってマナーが悪い人がいて初めて規制されるわけだから、結局、一部の本当に肩身が狭いと思う人が自分とその仲間たちの首を絞めているんだと思う。
 また、愚痴と悪口になるけど。
 上司がヘビースモーカーで、クソみたいな奴。吸わない人がいても勝手に吸うし。口も臭くて近くに来られるのも嫌だ。先日会社の女の子と話をしてたら彼女からそのことについて言い出した。臭くてかなわないと。みんなも逃げるように離れるんだって。これもそのときに聞いた話なんだが、産休で休みに入ったビザ担当の子が会議室に呼ばれたときに、奴はたばこを吸いはじめたんだと。お腹が大きいときだからね。彼女は勇気を出して、妊娠しているからたばこは今はやめてもらえないか、と。したらなんて言ったと思う?
何言っているの? ここは会社だよ
 素晴らしい。ワンダフルです。クソは出世しても所詮クソ。ネネはこういう人間にならないように育てたい。
 たばことは話が逸れるが、これもそのときに聞いた話だけど、タイ人の女の子たちはみんな奴のことを嫌っていて顔を見るのも嫌だって。俺と同じかい。タイで初めて勤めた会社の社長も酷い男だったけど、実際こいつほどではないし、ここまで嫌われてなかったよ。学生時代含めて今まで生きてきた中でこれだけ嫌われている人を見たことがないわ。
 ハマさんやYoshiさんもたばこを吸うわけだけど、隣で吸われてもなんとも思わないし、臭いとも思わないんだが、奴が吸っていると臭くて苛々する。嫌いな人のは何でも嫌だし、ましてやただでさえ臭いたばこの煙。こういったことが重なって嫌煙家の態度が硬化して、より肩身が狭くなる。
 ホント、気持ちひとつよ。一言だけ。それだけあれば、遠慮せず吸いなさいよ、とこっちも大らかになれるってもんで。







 夕飯はアムが自分で作るのが面倒だというので、近所にあるステーキ屋へ。
 ステーキ屋といっても屋台に毛が生えたような店舗。タイ料理が中心で、ステーキも鶏、豚、鮭と牛肉がちょろちょろっと。
 牛肉だってバンコク市内のステーキハウスみたいにオージービーフとかタイ産のいい肉とかではなく、普通のタイの牛肉。これを叩いてくれているものだから薄っぺらい。一応焼き方を訊いてくるけどまずレアはできないよね。筋があったりして食べにくいことこの上ないんだが、まあステーキって感じではある。安いしね。300gの大きいやつ、サッポロ・リブってのでも150バーツくらい。
 ネネはちょっと頼んであげたフライドポテトをひたすら食べる。サッポロにもアムが頼んだサーモン・ステーキにもポテトが付いていてテーブルはポテトだらけ。嬉々として食べ続けるネネ。注射打って体調が元に戻ってからものすごい食べるようになった。
 デザートにアイスクリームを頼もうとして、アムが何があるのかと。ストロベリーとチョコレートと、とかいろいろ店員が言っていてそれをいちいち復唱しているアム。それだけでもおもしろいのに、店員がカプチーノって言ったときの反応が。確実にカプチーノ知らねぇ、とわかったから意地悪で、カプチーノって何? ってアムに訊いた。
「知っているよ、カプチーノでしょ」
「だから、何?」
だから、あれでしょ、・・・・・・ナーム
 ナームって! 何水だよ! 何水ってなんだよ!
 笑える。
「コーヒーだよ」
 って言ったら、そうそう、だって。そうそうって!






 家に戻ったらネネがぬいぐるみで遊びはじめた。
 横で喋っているのを聞いてたら、どうやらぬいぐるみが病気で面倒を見るお母さんをやっている様子。
 何か飲ませる仕草をした。
トン・ギン・ヤー・ナ! (薬を飲まなければだめよ!)」
 薬を飲まなければならないのはあなたです!