バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

今まで一番激しかった、修羅場

 夜中3時くらいに電話が鳴って、酔っぱらってたからわけわかんないで取った。最近はこういうときは小さい部屋に寝かされるからアムとかにはそのときはばれなかったけど。
 昨日の日記にも書いた某店のSちゃん。S君に目下ゾッコン中のSちゃん。タニヤに行っているということがわかっていたので、S君が女と帰ったのではないかと、嫉妬に苦しみ電話してきたと思われ。S君は今日は早朝からゴルフだと言っていたし、そりゃあ出ないだろう。だいたい女の子とも帰っていないし。おっさん4人でラーメン食って帰っただけだ。
 S君は女と帰ったんでしょ、と。
 なんだなんだと思いつつ、いや、帰ってないよ。ひとりで帰ったよ、と。
 で、わかったって切ったんだけど、なんだ今の電話と混乱して。ちょっと落ちついてからむかむかしてきた。文句言ってやらんと気が済まんわと思い、大人げないが電話した。いくらなんでもS君と彼女のトラブルを俺に持ち込まれても。アムに聞かれなかったからよかったものの、夜中にかけてくるのも非常識極まりない。そんなことを言ったら、
「だって、私はムーウアン(おでぶちゃん)の妹でしょ」
 い、いつから……?
まあ、そうだけどさ
 なに言ってんだ、俺。
 とにかくこういうのは困るし、本当にS君はひとりで帰った、と伝えて、寝た。
 それで朝起きて身支度してカルフールに行こうと。シャワー浴びてたらアムが尋常じゃない力でドアを叩く。
 なんだ? と思ったら、Sちゃんがその前後に電話してきてて、電波がなかったからか、留守電に繋がってた。それが入ったというメッセージが来てたのを俺は知らず、アムが聞いてしまったようで。しかも内容が「(留守電に繋がったことに気がついてないのか数秒沈黙のあと)もしもし? もしもし? ムーウアン? もしもし?」って。
 タイ語でムーウアンというととても親密な関係にある女の子が男を呼ぶときに使うらしい。知らなかったし、だいたい俺親密じゃないし。お店で2回飲んだだけだし、店の外で会ったらたぶんわからないってくらいだのに。
 それでカンカンに怒っちゃって。当たり前だけどさ。
 で、ここで昨夜の俺は余計なことをしてた。
 昨晩、タニヤで飲んだときにつけたコリアンシャツの子。携帯に学生のときの写真があって、ハマさんともらってたんだと思うんだよね。なんとなくしか憶えてないけど。それをアムが見つけてしまい、またシャワーを浴び始めたところ、ドアをがんがん蹴り始めて。殺されると思った。
 で、もうここで収拾がつかない怒りに。ムーウアン、写真、行かないって言ってたタニヤ。大変だ。
 さらにこの写真とSちゃんは別人だとわかった途端、怒りがレッドゾーン超えた。ビンタ20発くらい、蹴り10発ぐらい、髪の毛鷲掴み3回。ひどい……。
 でもSちゃんのはもうS君の側だからなあ。説明しても信じてもらえない。かといってSちゃんにかけるわけにはいかないし。
 そんで夕方、勝手に携帯からSちゃんの番号を見つけてどうやらアムが電話したらしい。
 まあ、Sちゃんにしたってこっちが結婚しているの知っているし、実際なんもないんだから。今朝はS君のことで電話したと俺が言ってたこととまあ一致してたようで、だいたい事態は収まった。
 あとは昨日のタニヤの子の写真の説明だが、電話番号だってないし、名前もわかんないんだもの、もうお手上げ。
 怖かった。
 さっき書き物をしてて。携帯が鳴った。というか、音が鳴らないようにしてたので光っただけだけど。アムはもう寝ている。
 見たらSちゃんだった。なんなんだ。どうしたいんだ。これは怖いと思い、出なかった。
 したらまた留守電のメッセージが。
「(留守電に繋がったことに気がついてないのか数秒沈黙のあと)もしもし? もしもし? ムーウアン? もしもし?
 わかってねぇ。アムの電話がなんだったんだか、コイツ、わかってねぇ。
 俺、近々殺されるぞ、これ。