バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

わんこそば的なクイッティアオ

 バンコクはかつては水路が多かったので、小舟が行き交い、商売も船の上でという感じだったとか。水上マーケットの雰囲気だね。でも、本当にそんな時代ってあったのかね。戦前戦後ですでにバンコクの街並みは近代化しているからなあ。

 水上マーケットでは船のクイッティアオと呼ばれる「クイッティアオ・ルア」がある。これもその時代に食べられていたとか言うけど、本当なの? クイッティアオはアユタヤ時代にタイに入ってきたと言われているけれど、一般的な国民食になったのは戦時中で、タイ米の古米を消費し経済を活性化させるための政策だった。水上マーケット的な生活をしていたころに食べられていたのかどうか、ちょっと疑問が残る。

 とはいえ、今のタイでは全土的にクイッティアオ・ルアがそこかしこにある。特に有名なのは戦勝記念塔のエリアだ。BTS戦勝記念塔駅から戦勝記念塔に向かい、歩道橋を右奥で降りるとその辺りに何軒かある。

f:id:Tan-BKK:20170301131338j:plain

クイッティアオ・ルア。

 このクイッティアオ・ルアは小舟で売られたものとされるので、丼が小さい。そのため、こうやって丼をいくつも頼んでたくさん食べる。まるでわんこそばだ。

 でも、隣に給仕が立ってじゃんじゃん入れるわけではないけれども。そういえばわんこそばは18か19くらいに友人らと青森に行き、帰りに新幹線に乗るので盛岡に移動して、そこで食べたのが最後だ。まあ、別に味的にはそんなにって感じなので、思い出しもしなかった。

 丼が小さいのだが、最近のクイッティアオ・ルアは15バーツくらい。つまりは、4杯も食べれば、一般的なクイッティアオ50バーツを超えてしまう。要するに、安い食事ではない。

 クイッティアオ・ルアのスープは血が入っていたりでちょっと濃いめだが、辛味が最初からついているのも特徴かな。だからオレなんかはナンプラーを入れるくらいであまり味をつけない。最初にいくつか頼んで、それをひとつの丼にまとめて食べる。

 テーブルには豚の皮のから揚げであるケープ・ムーとかもあり、それを入れたりもする。袋は開けた分だけ料金が加算される。このあたりはタイ人の偉いところで、ごまかしたりしないで、ちゃんと食べた分は申告、あるいは開けた分がわかるようにテーブルに置いておいて支払っている。日本人なら払わないヤツとかいそうなものだけど、タイではそういうモラルの低いヤツをオレは見たことがない。

 クイッティアオ・ルアはどこの商業施設にも入っている赤い豚がロゴになったチェーン店もある。このチェーン店のメニューの中でルークチンとか骨髄かなにかを茹でたものとかをひと皿に載せたものがあるんだけど、それが結構おすすめだ。