バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

アムの掃除がイラッとくる

 アムは全然掃除ができない。

 できるできないは実際的には問題ではない。知らないことは恥ではないし。

 問題は、それを指摘されてもそれを理解できないことだ。

 当然ながら、自分が知らないことは自分の世界にないことなので、わからないのは当然だ。赤色を知らない人に赤を説明するのは困難だ。ただ、「知らない」ということを知っているとそれだけで違うわけで。うちのアムは知らないものはこの世に存在していなくて、教えてもそれを理解する努力がないというか。これはタイ人の下層階級の連中に多い傾向なんだけれども。

 以前、うちはとにかくゴキブリが多かった。掃除を手伝っても手伝っても全然減らない。オレは仕事もしているから、アムに家具を全部ひっくり返して掃除しないといけないと何度も言っていた。アムもやったというので、どうしようかと思っていた。したら、アムのやったは、家具を数センチずらしたり、開ける扉をたとえば普段は45度だったものを50度くらいにしていた程度だった。

 何年か前に両親がタイに来たときに一緒に全部掃除したのだが、そのときにアムはやっと家具をひっくり返す意味がわかったようだ。そうして、うちからゴキブリは一掃された。

 オレもやってみせればよかったのかと思ったけれど、なにが頭にくるって、今になってアムがその大掃除をまるで自分がやったかのように錯覚していることだ。

 それから、思い出したように模様替えをしたり、掃除をするのだが、やはりタイ人なので、四角い部屋を丸く掃くような。だから完ぺきな掃除をしたことがない。そして、ここにおける問題は、模様替えをする際にすべてを違う場所に移してしまうことだ。たとえば鍵を置いていた場所をある日突然変えてしまうわけだ。すると、いざ必要になったときにそのものがなく、また置いた場所を忘れてしまう。

 10年以上前にタイでも豚インフルエンザ鳥インフルエンザが流行したときに、マスクが品薄になった時期がある。一般の人も買うし、企業が社員に配るので買ったりで、どこにもなかったときがあった。そのときにオレは日本出張があったのかなんなのか、50枚入り以上のマスクパックを何箱か買ってきた。

 はずだったのに、今回の騒動で探してもどこにもない。アムによればそんなのとっくにないという。でも、全然使った記憶がない。だから使いきったはずはないのだよ。

 そして、案の定、数日前にアムが模様替えを始めたときに発見してきた。200枚超の新品の紙マスクが。このタイミングで出てきてもさあ。ホント頭くるわ、コイツ。