バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

バンコクでパン

f:id:Tan-BKK:20200604180640j:plain

セントラル・バンナーの日系のパン屋。

 タイでパンって今はだいぶ普通になった。でも、2000年代初頭は全然だったわけ。オレがタイ語学校に行っていた2000年とか2001年なんて、ソイ・コンヴェントのフレンチで自家製パンがあって、それが当時一番おいしかったかな。

 その後、和食ブームの中で日本人ブーランジェがタイに来て、それで段々おいしくなってきた。今はトンローの「ブレイン・ウェイク・カフェ」の塩パンが最強かな。

note.com

 エムクオーティエのグルメマーケットの手前にある、やっぱり日系のパン屋もおいしいけど。高いんだよな、今のパンは。そのエムクオーティエのパンは、どうも特殊な冷凍方法で日本から持ってきて、こっちで焼いているとか。だからおいしいんだけど、ちょっと買っただけで何千円にもなるからなあ。

 でも、本当にパンに関しては時代が変わったよ。タイ人のパン屋ってなんか水っぽい生地で、中が多くと、外が薄いみたいな。レーズンパンとか、すごいものがあったよ、かつて。たとえるなら海苔巻きみたいな。海苔の部分がパンで、ご飯が全部レーズンみたいな。パンの薄皮で大量のレーズンを巻いたようなのが出ていた。

 なんか、本当にパンのことを知らないんだなってくらい。そもそも、パンを食べるってのが発想としてないのかな。バンコクならともかく、特に田舎の人だ。アムとかはパンなんてバンコクに上京してきてもなお馴染みがなかった。上の子がまだ小さかったころに、オレの父がタイ語を学ぶといってうちに半年くらい住んでいた。そのときによくパンを買ってきて、朝食をパンにしていたわけ。それを見てアムが、オレの父を影でパンと呼ぶようになっていたし。

 フードランドにもベーカリーがある。24時間営業の店だけれども、ここも全然おいしくない。欧米人向けのパンなのかな。欧米人向けのパンなら、ドイツ料理店「ベイオット」のパンはいいかな。ここのドイツ式塩パンが最高にイケる。あとは酸っぱくて固いんだけど。

 最近はBTS改札前に山崎パンができている。ここも悪くないね。決してよくはないんだけど、これまでのタイのパンのひどさを考えたら全然いい。

 和食もそうだし、いろいろなものが揃うようになったよな、バンコク。かつては本当に不便だったよ。ほしいものが手に入らないんだもの。だいぶ変わった。でも、一方ではそれはそれでつまらなくなって、なんか違う感もあるんだけれども。ないものねだりってやつかね。