バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

誕生日にドリアンって

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パッキングされたドリアン。

 アムが突然、こんなご時世だし、誕生日はドリアンでいいわ、だって。アムの誕生日は7月下旬だ。そして、オレの誕生日は来週であり。

 まあ、つき合いだしてからそもそもまともな誕生日プレゼントなんてもらったことがない。Tシャツ1枚もらったくらいかな。しかもサイズが小さくて着られないヤツだったと記憶している。

 一昨年かその前の年はちょうど日本にいたのだが、ラインでオレの誕生日の朝に珍しくメッセージが。よくタイ人彼女がいる人は毎時間、行動を報告させられているが、うちは真逆で、こちらから連絡しない限りなんにも言ってこない。長期取材だと1週間、なんの会話もないってこともよくある。それなのに、誕生日の朝にメッセージとは。

 こんなこともあるのかと開いてみたら、死体の画像だった。隣の棟で孤独死した人がいたみたいで、それを守衛が撮影して、ママ友から回ってきた。このタイミングで送ってくるかね。結局、オレが誕生日だったことを思い出したのは数日後だった。

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一応4月5月ごろはドリアン最盛期。

 毎年この時期にはドリアンドリアンって騒ぎ出す。そして、年に数回は買っている。日本だと丸々ひとつ買うと数千円になるようだけれども、タイならそこまで高くない。でも、一応高級な果物なので、500バーツくらいはしてしまう。高いし、カロリー的にも毎日食べるものでは内から、シーズン中に数回程度なんだが、毎年、もう何年も食べてない、と愚痴る。食べているっての。

 今年もすでにオレの知らないところで食べている。娘が口を滑らせたのでオレは知っている。でも、アムは、あくまでも妥協しているふりをして、誕生日でいい、と。で、7月までは待てないから、今のうちに買えというワケよ。それで7月になったらなかったことにして、またなにか要求してくるからな。

 まあ、そんなことよりもオレの誕生日が先だよ。自分の要求だけ通そうと思うなよ。

 と、思ってたら、すぐに「あ、今月はあんたの誕生日だ」と気がついて。珍しいこともあるもんだ。そしたら、耳を疑うことを言いやがる。

「じゃあ、あんたの誕生日はドリアンでいいか」

 なんでそうなるんだ。オレはドリアンを食わないって。

 実はドリアンをオレは食べたことがない。臭いは嫌いではないが、アルコール飲みはドリアンを喰ってはいけないのである。ドリアンを食べると死ぬと言われているからだ。

 まあ、これはあくまでも迷信だ。要は食べ合わせがよくないってだけの話だ。アルコールとドリアンが混じると急速に発酵するらしい。それで酒とドリアンを食べると腹が破裂するんだってさ。まあ、そんなことないでしょう。ガスが出てもゲップで排出されるでしょうに。それに、ドリアン農家の人に聞いても、別にアルコールがダメってことはないみたいだし、死んだ例なんて聞いたことないってさ。

 まあ、そんなことはどうでもよくて。なんで喰わないオレの誕生日にドリアンなんだよ。かといって、なにがほしいってのもないけどさ。