バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

今日はある意味歴史的な日なのか?

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2006年のクーデターの夜。

 先日noteでこんな記事を書いた。

note.com

 で、まあ、この出来事から10年だけれども、もう何ヶ月かすれば、今のタイの政情不安が始まった日から14年になろうとしている。上記の画像はそのときのものだ。

 この日は夕方以降一切テレビが映らなくなった。ネットも発達していなかったから、国民は逆になにが起こっているのか知る由もなかった。たぶん先に知ったのはバーに繰り出していた人たちだ。バーによってはCNNやBBCとか外国のニュース番組が流れていて、ここでタイでクーデターが起こっていることが速報で流れていたらしい。しかし、それもどこかのタイミングでシャットダウンされてしまった。

 そうして、結構夜遅くなってから画面が映り、しかも全チャンネルが同じ映像になった。それが上の画像のテレビ画面だ。ここで軍部がタクシン首相を追い出したことを発表した。

 この日はタクシン一家が外国に行っている間の出来事だったが、実際には事前に通告されていたとされ、外遊のわりには異様な荷物の量だったと言われている。

 それから今日に到るまでずっとタイはゴタゴタが続いている。むしろインテリと呼ばれている連中が野蛮な行為をして着地点を失い、揉めに揉めて今に続いているのだ。

 そんな中、どちらでもない政権として2014年に今の軍事政権が始まったが、今、数年前からくすぶり始めている若者たちの不満を押さえつけることが困難になっている。コロナに便乗して非常事態宣言を無意味に延長し、なにか起こそうとしているのではないかと疑われてもいる。

 そんなタイは今日、「あるお方」の誕生日だ。タイに住んでいない、あるいはタイのことをよく知っていないとわからないことだが、タイは公で「あること」を批判することができない。2006年の政情不安が始まって以降は、公に話すだけでも刑務所行きになることがあるほどだ。

 それが、先週、タイでは近年で最も大きな政治集会が開かれ、そこでその「あること」に対する不満などに関して若者たちが声を上げた。これはある意味ではタイの歴史を大きく動かす出来事だ。時代錯誤なその法令はすでに何年も前から廃止をするように海外から促す声があった。

 タイ国内ではそれら海外からの批判がほとんど報道されることがなかったが、それらに関して、国内のタイ人たちが声を出して批判している。これは長くタイにいる身としては歴史を変えるかもしれない大きな事件でもあるし、いつかこうなるだろうなとは思っていたことでもある。ただ、それが思ったよりもかなり早くに起きたというか。

 ネットがこれだけ発達し、個人が声を出すことができるようになった。タイでは何年も前から富裕層に対する不満などをネットで告発し、世論を動かした。だから、いつかそれが「あるお方」に向かうことは容易に想像できた。

 ただ、タイ人は詰めが甘くて、富裕層が検挙されるとそれで喜んで終わってしまう。そして、いつの間にかさくっと富裕層の悪い奴は無罪放免になる。数日前に報道されているが、レッドブルの御曹司が警官をひき殺して逃げ回っていた件に関しても詰めが甘いから逃がす隙を与えてしまった。そして、数日前にいつの間にか何年も現れなかった目撃者が突如現れて、無罪になってしまった。これだってタイの報道は情報を掴めず、海外マスコミが先に報道するという屈辱的なニュースになった。

 そんな中なので、今しばらくはなにもないかなとは思っていたが、このタイミングで若者たちが立ち上がった。こうなったら、逮捕されるか勝つかのどちらかしかない。若者も本気で闘うでしょう。

 今このブログを書いている時点では今日はなにが起こるかわからないが、もしかしたら明日には全然違ったタイになっているかもしれない。大袈裟かな?