バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

かわいい時期は長くない

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自分に似ている息子。

 20代前半の、まだタイを純粋に楽しんでいたころの自分は、まさか数年後に結婚して子どもを持つなんて思いもしなかっただろうな。人生って不思議なもので。オレは昔から仲のいい家族とかをメディアなどで見ると、本当にそんな家族がいるのかね、とか、虫唾が走るような気分で見ていた。要するに、家族という仲がオレの中には存在しなかった。

 だけど、実際に子どもを持つといいものだなと。見ているだけで癒され、幸せな気持ちになる。

 でもねえ、早いんだよ、そういう時期は。あっという間に終わるね。上の子はもう中学2年生だ。生まれたばかりのとき、オレの手のひらから肘までもなかった大きさなのに、今やアムよりもでかいしな。

 上の子が赤ちゃんから幼稚園年中まではオレは会社員をしていた。そのころは、オレが家に帰ってくるとベランダで見ていて、車を停めてエレベーターで上がっていくと、玄関の前で待っているんだ。オレの家はエレベーターから一番遠い部屋でさ、廊下の向こうで娘が待っていて、オレを見ると走ってくるんだ。かわいいもんだったよ。

 それが今じゃ、口ばっかり達者になって、いろいろ言い返してくる。まったく。早いんだよ、いい時期、旬ってやつが終わるのは。特に娘は人見知りしないから、幼稚園に入った段階で、親より友だちって感じだったしな。

 その点で言えば、今、息子が旬だ。まあ、男の子だから母親にべったり、いやアムが息子にべったりだから、息子もオレよりはアムって感じではあるけど、ちょうど妖怪とかに興味があるから、すぐに寄ってきて話しかけてくる。まあ、元々遊んであげるのはオレの方がうまかったのもあるから、そういう趣味的なことはオレに言ってくるのもあった。

 アムなんかは、たとえばヒーローごっことかしても「なにそれ」とか「意味わからない」とかすぐ言う。デリカシーがないというか、想像力がないというか。そこはわからなくても、黙ってつき合ってあげるべきじゃない。でも、アムはしない。オレはちゃんとする。だから、遊ぶときは娘も息子もオレなんだ。

 ちなみに、うちの子たちは5歳離れているのでまずケンカはない。上の子は弟をアウトオブ眼中化しているからってのもあるけど。

 上の子は親も全然相手にしていない感じかな。まあ、日本ではないので親に暴言を吐いたりとか、父親を嫌悪したりはしない。まあ、同級生がいる前では絶対にオレを近づかせないけれど。でも、同級生の目がなければ別にそんなことはない。

 息子はふたり姉弟とはいえ、末っ子だから、まだしばらくはオレにも懐いていてくれるとは思うけど、もう小3だしな。あと3年もしたら相手にしてくれなくなるだろう。子どもの旬は短いのである。