バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ベトナムに行くと英語がうまいって言われる

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ホーチミンを上空から見た。

 ベトナム好きになって年に何回も行くわけだけど、全然ベトナム語を憶えない。憶えているのって、モッ、ハイ、バー(1、2、3)くらいじゃないかな。食材はなんとなく。ボー(牛肉)、ガー(鶏)、ゼ(ヤギ)とか。ラウが鍋で、ゴイクオンが生春巻き、みたいな? それくらいだ。

 というわけで、ベトナムにいるときは英語を使う。といってもブロークンだし、まともに勉強したわけではなくて、中学で勉強した程度しかない。3月に危うくベトナムからタイに帰れなくなりそうになったときにチェックインカウンターでもめたんだけども、案外そういうときにはちゃんと英語って話せるもんだなって思う程度だ。本気出せば、的な。

 本気出すってのは、ちゃんと意識して話すって意味で。油断すると、タイ語が出てきちゃうんだ。たとえば数字って長いじゃない。1524とか言うとき、ワンサウザンド・ハイブハンドレット・トゥエンティオーフォーでしょ。長い。こういうのが、ワンサウザンド・ハイブハンドレッド・イーシップシーとか言っちゃう。あれ、オレ今タイ語言ってた? みたいな。

 当たり前だけど、脳内の言語は日本語だ。でも、普段、オレは声に出す言葉はタイ語が圧倒的に多い。いや、むしろ日本語を話すことなんてほとんどない。家庭内言語タイ語だし、全然外に出ない引きこもりライターだからね。近年は電話も鳴らないし。

 だから、日本に滞在していると、日本語でさえもタイ語が先に出てくることがある。それくらいだから、英語なんて意識していないとちゃんと出ない。

 ところが、環境がそうなると結構変わる。タイではまず英語が出てこないけど、ベトナムにいればその雰囲気で自然、英語が出てくる。極端な例だけど、ラオスで簡単なラオス語を話すわけだけど、いつもラオスで遊んでくれる人がバンコクに来ると、急に飲食店とかでオレもラオス語が出てきちゃう。その人の顔を見ているとそうなっちゃうんだ。街並みとか場所が変わればなおさら違ってくる。

 いずれにしても、やっぱり海外住まいの慣れとして、英語とかほかの国の言葉で話すというのは、日本在住よりは慣れていると思う。だから、ベトナムに来れば、飲んでいても多少の英語はちゃんと出るわけで。

 で、オレの場合はなんだって形から入るタイプなので、話している英語もなんか映画で観たような雰囲気で話している。発音をカタカナ語っぽくしないで、なんかネイティブ風な感じに。あくまで感じよ、感じ。

 でも、そうすると、話していたベトナム人の中には「日本人って英語ができないか発音が変なのに、キミは英語ができるね」なんて褒めてくれる。うまいふりがうまいだけなんだけどなあ。

 あと、わかったふりをするのもうまいと思う。タイ人と話していると、特に男に多いんだけど、話がくそつまらないケースが多々ある。そんなときは聞いていないわけだけど、そういうヤツに限って質問っていうか、なにかを問いかけてくるんだよね。それをわかったかのように流すのがむちゃくちゃうまいんだ、オレ。だから、そのスキルがベトナム人からすると、自分の英語が通じている! って感じて、彼ら自身も英語に自信がついているんじゃないかな。それで嬉しくて、オレのことも褒めているみたいな感じかな。

 でも、オレが誤解を解かずに「そう?」って顔をしてみせるのは悪いことじゃないかなと思っている。言葉なんてツールだから、使ってナンボ、使って身につくものだと思う。だから、自信がついて、間違っていても通じなくてもどんどん使えば、そのうち彼らもうまくなっていくんだし。そういう意味ではオレは彼らの手助けをしているのだ! って、最初から彼らの方が全然英語はうまいんだけどな。