バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

全然タイに帰れる気がしない

 もうちょっと日本でしかできないことをやって、そうしたらタイに帰ろうかな、とは思うけど、そもそも日本でしかできないことができない。

 18年もタイに住んでいるんだもの。日本はもう外国よ。たとえば、ベトナムが好きだからオレは年に何回もベトナムに行っていたけれど、でも知っているようで知らないことが多いわけで、じゃあベトナムで今すぐにタイと同じように生活できるかというとそんなことはない。オレのタイの20年は、やっぱり来て2年とか、住んで10年とかいう人とは違うと言えるくらい、いろいろと経験して見聞してきた。

 日本もオレが日本国籍で日本語が話せるってだけで、やっぱり日本のこと、わからないよ。外国だよ、完全に。だから、今こうして日本にいても、わからないことの方が多すぎて、毎日がしんどい。

 もう何か月いるんだ、オレ。でも、全然慣れない。こういう時世だから外にも簡単に出られないし。ここ数年、ずっと病んできていたけれども、今はさらに心が病み始めている。

 これだけ長く日本にいるのは2002年以来なわけだけど、改めて暮らすと、あるいは外国人目線的に日本を見ると、たしかにいいところはいっぱいある。タイにいるときは二度とこんな国に暮らすことはないと思っていた。だから、こういう機会だからこそ少し長めに住んでみるかという気で来たけれど、住んでみれば思い出の日本とは違う部分もいっぱいあった。まあ、いかにオレが日本で嫌な目に遭ってきたのかって話で、今はタイに住み始めたばかりの人と同じように日本がおもしろいとは思う。

 でも、やっぱり生活のベースはタイだ。なによりも家族がタイにいるわけだし。子どもたちとももう長く会っていないわけで。ときどきこうして離れて生活していることがつらく感じる。

 とはいえ、今帰っちゃうとなんの意味もないしな。これからの人生を考えると、今はちょっと我慢しないといけない。これからの生き方を考えて、それに合ったものを得てからでないと。タイではできないことって、やっぱり外国人だからたくさんある。そもそもタイになくて、日本にあるものってのもものすごく多い。タイでは得られないものを得てからでないと帰れない。

 って、なるとなおさらいつオレはタイに帰れるんだってなってくるんだよ。話が堂々巡りになるけども、日本はオレにとってはアウェイで。でも、この気持ちは日本に住んでいる人にはどんなに説明しても通じないんだ。だから、誰にも相談もできない。だから、こうやってブログで愚痴を書いているというか。