バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

麻薬はやっぱりよくないと思う

 ここのところ、タイは医療大麻が解禁になって話題になっている。確かに、医療の方面で治らなかったものが治るようになるのであれば、それはいいことだと思う。しかし、一方で、嗜好品としての大麻の解禁にも期待が寄せられているけれども、オレは違うと思う。

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 noteで書いたこの人も、結局大麻からエスカレートしたように見える。大麻好きの人はエスカレートしないとみんな言うけど、実際そうなのかどうか。100%すべての人がそうだったのかどうか、証明できるのだろうか。

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麻薬絡みで起こったバラバラ殺人事件の現場前。

 大麻だけでなく、覚せい剤やヘロインなどで事件も起こっているし、麻薬常習者にロクなのはいない。そのおかげでライターの中には飯を食える人もいるんだけれども。

 もう20年くらい前の話だ。ちょっとつき合ってたタイ人女性がジャンキーだった。パッポンの女だった。ウソばっかりだし、ひどい女でね。何年かして自分の店を持って、そこでアイスを嗜みながら仕事をしていた。17、18歳くらいの女の子たちを雇い、彼女たちには無料で振る舞って手なずけていた。

 実はこの女が関係していることもあって、オレのFacebookのアカウントはタイ文字になっている。元々は日本語の名前でやっていたのだが、三流ジャーナリストを中心にしたクソみたいなバンコクの人間関係に嫌気がさして、いったんやめた。

 ところが、ある日突然、彼女と連絡が取れなくなった。その直前に彼女の半生を描いた書籍を出すことが決まり、取材を始めようとした矢先のことだ。誰も連絡先を知らず(あとでわかったのが実は知っていた)、彼女がFacebookをやっていたことをオレは思いだし、アカウントを作った。

 失踪からおよそ2年して(2016年前後かな)、彼女からある日突然、連絡があった。タイ語でアカウントを作っていたことが正解だったのだ。

 どうしていたのかを聞くと、彼女は逮捕され、刑務所にいた。なるほど連絡取れないわけだ。それもパッポンで囮捜査にやられた。それでボクが連絡先を聞いたみんなは知っていたのだが、彼女と、もしかしたら存在するかもしれない彼女のバックに怯えて、口を閉ざしていたのだ。

 彼女がラッキーだったのは、個人で使用する分のアイスだったから、売人として見られず、2年ほどの刑期で済んだことだ。

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白人に売りつける前に見せてもらった吸引器。

 自分のバーを経営していたときも彼女はアイスなどを売ってもいた。その後、つまり出所後、パッポン2のビアバーに戻ってきて働きつつ、相変わらず麻薬を売って稼いでいた。彼女自身はもう懲りたからということで、麻薬やアイスから足を洗ったと言っていた。しかし、全部ウソだった。

 2019年、あるいは2018年にそのビアバーは潰れた。そのころにはもう彼女はオレに隠すこともなく麻薬や覚せい剤に溺れていた。金回りも段々悪くなって、貸してくれという連絡が何度も来るようになった。

 そして、ビアバーが潰れると、彼女は完全に社会不適合な生活をしている。今現在、働きもしていないし、飯は寺に行って恵んでもらっているそうだ。自宅は誰か支援者がいるのか、同居人がいるのでどうにかなっているが、臨時収入があれば全部アイスになってしまう。

 これでも彼女は3人の母親だ。とはいえ、ちゃんとまっとうに育ててきたことはない。こういう言い方はひどいかもしれないが、ほぼ犬とか猫と同じような人間である。ただ生んだだけで、親の責任なんてものを考えたこともない。子どもに罪はないが、連鎖は否めないのではないか。

 だからオレは麻薬を自制して嗜めるという人を信用していないので、嗜好品として麻薬が合法化するのは反対だ。