バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

マッサマンカレーで老いを感じる

 若作りをしているとか、自分はまだまだ若いとか言うわけではない。そんな年寄りってバンコクにたくさんいて、そういうのを目の当たりにするたびに虫酸が走る。人が嫌がることはしないというのは常識であり、だからそんなつもりはなく、年相応に生きているつもりだ。

 とはいえ、よほどのことがない限り、自分が歳を取ったなと実感しない。体力的にはあるとは言えないものの、若いころとは大して変化はないと思う。

 しかし、食事のときに老いを感じるときがある。特に自宅でひとりで飲むときに強く感じる。友人や仕事関係者と外で飲むときはいくらでも飲めるのに、ひとりで飲むと、缶ビールひとつ空けるのも大変だ。念のため言うと、ロング缶の方ね。20代のころはひと晩でジャックダニエルのボトルを空けてもけろっとしていたが、缶ビールごときでひいひい言ってしまうとはね。

 あと、つまみも案外食えない。酒とつまみを買いに行って、これじゃ足りないかなといろいろ買い込むくせに、ほとんど食えずに終わってしまう。なんか、歳なんだなって思う。

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マッサマンカレー

 最近ふと歳を感じたのが、マッサマンカレーだ。ところで、マッサマンカレーってなんであんなに日本で知名度が高いんだろう。南部料理で、屋台とかクーポン食堂だとカオモックガイの店にあることが多いね。牛肉のほかにマトンもあったり。

 見た目が日本のカレーっぽくて、ジャガイモも入っているし、店によってはニンジンも入っていたりする。ココナッツミルクで辛さは全然なくて、むしろ甘めの味つけというのもわかりやすいのだろう。

 でも、前は普通に食べられたものの、最近は1人前でも結構つらい。重いんだよな、胃に。やっぱりココナッツミルクがきついというか。脂っこい料理でもあるし。

 タイ料理っていうのは、こういうきつさがある。日本のテレビとか、ネットなどで住んだこともない人がタイは3万円で生活できるとか言うけれども、タイ料理だけを毎日食べることは日本人の大切には絶対に合わない。そもそも物価が上がってて、屋台だけしか食べないとしても3万円で暮らすことは難しいんだけどね。タイ人がそれで暮らせるのは、家族親族、友人などと共同生活しているからなんだ。

 それはともかく、まさかマッサマンカレーに老いを感じる日が来るとはね。

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マッサマンカレータイ米

 そう考えると、日本のカレーは素晴らしいな。1人前で胃に重いってないもの。むしろスパイスで暑さで疲れた身体にぴったりだ。マッサマンは南国の料理なのに、そのすっきりさはないね。

 ただ、今ちょっと思ったんだが、マッサマンを米で食べるからきついのではないだろうか。たとえば、バゲットとか、焼きたてのパンをビーフシチューにつけて食べる感覚で食べたらおいしいのでは?

 ベトナムの牛肉煮込み=ビーフシチューであるボーコーも米粉麺のフォーを入れるバージョンと、バゲットを入れるバージョンがある。マッサマンもそれで行けそうな気がする。

 まあ、胃に重い、は変わらないと思うけど。