料理に砂糖を入れるのは抵抗があるのか?
ウソはともかくとして、「これはこうだ」と現地の人に説明されたら、オレはとりあえずそれに従う。それが現地を訪れる旅の醍醐味である、楽しみでもある。たとえば、日本では食事中にコーラなど甘いものは飲まなかった気がする。タイでは料理が辛いとか、濃いこともあるので、白米とコーラは普通だ。オレもそれに慣れておかしいと思わなくなった。
そもそも、料理に砂糖を使うのは当たり前の話だが、あとから入れることに抵抗がある日本人が少なくない気がする。昨日書いたジョークや米粉麺のクイッティアオの話だ。
これらには卓上に調味料があって、自分好みの味に整えていく。
タイ料理好きの人でも、見ていると砂糖だけは入れない人が多い。訊くとだいたい「料理に砂糖はちょっと」と言う。わからなくもないけれど、この調味料セットはタイ伝統医学の土・水・風・火の関係のような、切ってもきれないものだと思う。
これらをバランスよく加えて味を濃くするのだが、そのときに好みや体調によって味を少し変える。だから、砂糖だけ入れないというのはバランスが大いに崩れるのではいかなと。もちろんそれが好みだというのはわかるが、大概、砂糖を入れない人は最初から入れたことがない人に多い。
まずベースに加えるのがナンプラーという人が多いのではないか。塩っ気であり、これの対に来るのが砂糖で、さらに砂糖とトウガラシも対になる。サンプラーとトウガラシをそれぞれひとつだけ入れると味が尖った感じになってしまうが、砂糖を入れることで奥行きが出るというか。
さらにナンプラーとトウガラシを引き立てるのが酢だ。砂糖も同時に引き立てる調味料で、砂糖とは違ったアプローチで味に幅を持たせてくれる印象をオレは持っている。
酢は2種類あって、店によってはどちらか一方、場合によっては両方ある。オレは輪切りの方が好きだ。みじん切りになっている方は辛いかな。
あと、トウガラシは基本的に粉であることが多い。中には油に混ぜたようなものもある。
あと、ご飯ものもやっているとプリックキーヌーがそのまま置いてあることも。
カオカームーがある店だと生のニンニクとこれが置いてあるね。辛いものが根本的にだめな人は無理だが、案外、生のトウガラシもおいしい。青臭い風味が結構イケる。
辛味というのはほぼ痛覚なんだとか。だから、舌にトウガラシのエキスが触れると辛く感じる。ということは、舌に当てなければいいだけの話なので、奥歯で噛むと舌に当たりにくくなる。そうすれば、トウガラシを生で食べることも可能だ。
串でヤキトリとかすり身団子の揚げたもの、あるいはサイグロークとかネームとかのタイ式ソーセージを買うとプリックキーヌーがついてくるが、そうやって食べると言うほど辛くなくて、でもトウガラシの風味を感じながら楽しめるのでおすすめだ。