バンコクとタイ家族のこととくだらない話と

タイ在住歴20年のライター・高田胤臣の個人的なブログ

ビザが自動延長

f:id:Tan-BKK:20200320223901j:plain

3/20のエアポートリンク車内。

 23日にアルコール販売禁止が延長荒れた話を書いたが、4月30日まで自動延長されていたすべての外国人のタイ滞在期限が24日、7月31日まで自動延長になった。これで、国に帰れない外国人もしばらくはタイに安心していられるようになった。

 これは非常事態宣言が出た3月26日以降滞在期限になる外国人が、特に手続きが不要のまま7月末までいられるようになった。たとえばビザなしだと最大30日ほど滞在できるが、たとえば3月1日に入国していたら本来なら30日か31日には出国する必要があった。ところが、今は帰国、あるいは出国先が入国禁止にしているケースもあるわけで、そのために国外に行き場のない外国人が出てきた。

 同時にタイは非常事態宣言でロックダウンとなり、航空機の飛来も制限されるし、国境も閉鎖となった。つまり、外国人の中には行くところがなくなってしまった人が少なからずいた。トム・ハンクスのターミナルとかっていう映画みたいなもんだな。

 そこでタイはその措置として滞在期限を、26日以降に期限を迎える外国人を対象に当初は4月末まで自動延長としていたのが、思ったほど終息が長引きそうなので、7月末までになった。

 このあたりは優しい対応だとは思う。そして、これは評価するべきだなと。日本も在留資格がある外国人にも補償金を支給するとか言っているけれども、それと同じで、それはそうするべきだ。現実的に帰ることができない外国人も少なくないのだから。

 ただ、リアルな話をすると、本当にこの措置によって外国人が安心できるのかというとそういうわけでもないけどね。基本的にこの措置で助かるのは観光ビザの人なわけだ。政府もそう想定しているでしょう。でも、観光で海外にいて帰れなくなった場合、滞在許可がどうのこうのよりも、いつ帰れるかの方が重要なわけだ。滞在費だって支給されるわけではないので、アパートを開き直って借りるならともかく、観光の場合はホテルなどにいるしかなくて、どうしても滞在費が高くなっていく。

 それに、7月末まで延長ということは、つまるところ、タイ政府はそこまで終息しないと見たというわけだ。この先3ヶ月間はここにいるハメになるかもしれない。むしろ、タイやベトナムなど東南アジアは強硬な手段に出ているので、終息は欧米とか日本よりずっと早いはず。だから、3ヶ月でタイが大丈夫になったとしても、行き場がない可能性がある。でも、もうそこはタイには関係ないので見放される可能性もある。

 というわけで、結局のところ、観光で足止めを食っている外国人は結構心配だね。少なくとも日本はタイ側が終息してもすぐにはタイに入れないだろうから、今年は厳しいね。オレも年1回の日本営業はもうだめかもしれないな。